2024年8月6日(日本時間7日0:00)、パリオリンピックの自転車トラック競技の2日目となった。前日に行われた男子チームスプリント予選に引き続き、1回戦〜決勝が開催され、日本から長迫吉拓、太田海也、小原佑太が出場した。前日に日本新記録を更新したチームは、更にタイムを更新することに成功したが、メダル獲得は成らなかった。最終成績は5位。その内容をレポートする。
男子チームスプリント
3人1組で行われるレース。3人が縦1列になって走行し、1周ごとに先頭の選手が離脱。最後に残った1人がフィニッシュしたタイムで勝敗が決まる。
オリンピックでは種目の1日目に予選実施後、2日目に決勝までを行う。2日目には1回戦を実施。その後7-8位決定戦、5-6位決定戦、3-4位決定戦、そして1-2位決勝戦それぞれのレースが実施されることとなっている。
男子チームスプリント1回戦
1日前に大きく日本記録を更新し、再度の記録更新とメダル獲得へ意欲を見せる日本チーム。レースは1回戦第1組で開催国のフランスとの対戦となった。
メンバーを発走台に固定し、緊張が高まる中でレースがスタートしていく。スタート直後、ピストルが鳴らされる。日本チームからフライングスタートの選手がいたとしてやり直しとなった。
再び位置につき、スタートラインから飛び出していった両チーム。しかし今度はフランスチームがフライングしたとして、3回目のスタートに。
3回目。カウントダウンタイマーが「0」になり飛び出していく両チーム。しかし、ここで日本チームの第1走、長迫吉拓がスタートでスリップするかのような形でタイムをロスしてしまう。しかし日本チームは勝ち上がりをかけてペダルを踏み込んでいく。長迫のタイムは17秒690、対してフランスは17秒444と日本に対して一歩リードを得て、第2走へと変わる。
第2走の太田海也は0.1秒と僅かながら巻き返し、ほぼ同時に最終走者へ。コンマ1秒ほどの差を埋めるべく小原佑太が走るが、フランス側の第3走者は「3走スペシャリスト」のライアン・エラル。差が詰まらないままフィニッシュラインへ。
両者がほぼ同時にフィニッシュした形となったが、最後まで日本の逆転は起きず。フランスが42秒376、日本が42秒569とコンマ2秒ほどの差でフランスが先着。
日本はメダル決定戦に進むことはできずに、ドイツとの対戦する5-6位決定戦回りとなった。
今大会2度目の日本記録更新 底力を見せた日本チーム
メダル獲得の可能性は無くなったものの、5-6位順位決定戦では負けられない日本チーム。レース前に立て直した長迫が飛び出すと、スタートと同時に本来の猛ダッシュを見せて17秒140の好タイムで太田へ交代する。
この時点でコンマ1秒ほどのリードを得た日本チームは、第2走の太田と第3走の小原と僅かにリードを広げる好走を見せて、ドイツに先着。
フィニッシュタイムは42秒078で、前日の予選で出した42秒174を上回るタイムで日本新記録を塗り替え、最終成績を5位とした。
異次元のスピード オランダ
決勝は世界最強チームオランダとイギリスの戦い。1回戦ではオランダが41秒191で、それまでの同メンバーが持っていた世界記録(41秒225)を僅かに更新して決勝へと駒を進めていた。
レース前の事前取材では「41秒を切れると思う」と語っていたオランダメンバーたち。その言葉を現実にし、40秒949という驚異のタイムでイギリスを寄せ付けず、再度の世界新、そしてパリ2024オリンピックのチャンピオンに輝いた。
敗れたイギリスは41秒814で銀メダルを獲得。
3位は日本に勝ってメダル決定戦へと進んだフランスにオーストラリアが競り勝ち、銅メダルを獲得した。
最終結果
順位 | 所属 | 選手名 | タイム | |
1位 | オランダ | ジェフリー・ホーフラント ハリー・ラブレイセン ロイ・バンデンバーグ |
HOOGLAND Jeffrey LAVREYSEN Harrie van den BERG Roy |
40.949 ※世界新 |
2位 | イギリス | ジャック・カーリン エド・ロウ ハーミッシュ・タンブル |
CARLIN Jack LOWE Ed TURNBULL Hamish |
41.814 |
3位 | オーストラリア | マシュー・グレーツァー レイ・ホフマン マシュー・リチャードソン |
GLAETZER Matthew HOFFMAN Leigh RICHARDSON Matthew |
41.597 |
5位 | 日本 | 長迫吉拓 太田海也 小原佑太 |
42.078 ※日本新 |