マレーシア・ニライにて2月21日に幕を開けた『アジア選手権トラック2025』。
大会も残すは2日間。6日目（2月26日）には男子オムニアムが実施され、終盤のポイントレースで強さを発揮した兒島直樹が金メダルを獲得した。
男子オムニアム
スクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目で総合成績を競うオムニアム。
今大会では、13人がエントリー。日本からは、兒島直樹がアジア選手権のこの種目への初出場を果たした。
スクラッチ 危険回避で着を落とす
トラック40周、10kmで争われたレース。
勝負は最後の集団スプリントに持ち込まれる展開となった。
最終周回では兒島が集団の先頭付近に位置して勝負を仕掛けていく。兒島とベルナルド・ファンアールト（インドネシア）の勝負となったが、3コーナーで周回遅れの選手が兒島の前方に現れ、兒島は回避する形で大回りとなってしまう。
その結果ファンアールト（インドネシア）に先着を許し、兒島は2着でフィニッシュ。
テンポレース 巻き返して1位
36周回のうち1周に1回、先頭が1ポイントを獲得し、合計ポイントを競うテンポレース。
スクラッチに続いて、兒島とファンアールトがトップ争いを繰り広げる。
ポイントの取り合いとなったレースは兒島が31ポイント、ファンアールトが28ポイントを獲得し、この種目を兒島が1位とした。
エリミネーション ライバルと痛み分け
スクラッチ、テンポレースに続き、兒島とファンアールトの戦いは続く。
両者は残り4人となったところで3番手、4番手で除外周回へ。兒島が3番手で前、ファンアールトが4番手で3コーナーに入っていく。
外から加速してファンアールトが上がってくると、兒島がけん制するように外へと動き、相手のスピードを落とす形となった。結果として兒島は生き残り、ファンアールトはこの時点で除外。しかし兒島の動きが相手の進路を妨害したとして兒島は降着。
このレースでは両者痛み分けとなり、ファンアールトが3位、兒島が4位の結果となった。
ポイントレース 終盤の強さを見せた兒島
最後のポイントレースは100周、25kmの戦い。
暫定トップはファンアールト（インドネシア：114ポイント）、次いで兒島（112ポイント）、3位がモハマド・アルムタイウェイ（UAE：102ポイント）で始まる。ポイントレースは兒島が大得意とする種目。このレースでの逆転に期待が掛かった。
レースの中盤まで兒島とファンアールトがポイント周回で1着と2着を取り合う展開となり、首位争いが続く。
大きく動いたのは残り50周となる折り返しのタイミングだった。
兒島が1着5ポイントを得ると、スプリントの勢いそのままにアタックしていく。
そしてこのアタックを追ったのは、ファンアールトを含む4人。
逃げ集団が形成され、残り40周では兒島が1着5ポイントを獲得。ここでファンアールトはポイントを獲得できず、兒島が3ポイントのリードを得て暫定トップとなった。
ライバルを置き去りにしてラップ、そしてライバルに再び追いつく
更に逃げ集団の中からアタックした兒島。
香港のツォ・カイウォンを引き連れ、ファンアールトのいる追走集団を引き離していく。
残り30周のポイントを1着＋5ポイント、そしてメイン集団に追いつき＋20ポイントも得ることに成功した。この時点で暫定2位のファンアールトとのポイントは大差となっていたものの、兒島の攻撃は終わらない。
兒島はメイン集団から再び飛び出し、ファンアールトのいる逃げ集団へと合流。
その後はライバルたちを逃さず、大差を守って自身初となるオムニアムでのアジアタイトル獲得を果たした。
| 順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
| 1位 | 兒島直樹 | 日本 | 163 | |
| 2位 | ベルナルド・ファンアールト | Bernard benyamin van Aert | インドネシア | 146 |
| 3位 | リー・ジンフン | LI Jing Feng | 台湾 | 129 |
