2024年春に入所し、2025年に卒業予定の競輪選手養成所(JIK) 第127・128回候補生たち。年に3回行われる「記録会」で多数のゴールデンキャップ獲得者*を排出した、大注目の世代だ。

この記事では改めてゴールデンキャップ獲得者を振り返り、「注目の候補生」を見ていこう。

※ゴールデンキャップ…養成所の記録会では200mから3000mまで、最大4種類の距離でタイム計測が実施される。このうちどの種目でも良いタイムを記録した候補生に与えられるのが「ゴールデンキャップ」である。

市田龍生都(※早期卒業)

いちだ・りゅうと
生年月日 2001年9月28日
登録予定地 福井
第1回記録会 ゴールデンキャップ
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会

父はレジェンド競輪選手である市田佳寿浩で、同氏が師匠でもある。第1回・第2回記録会ともにゴールデンキャップを獲得し、歴代で5人目となる「早期卒業」を達成した(このため第3回記録会には出走せず)。

127・128回生で一番の注目選手と言えるだろう。2025年1月4日、同期のメンバーよりも一足早く松戸競輪場でデビュー。完全優勝で初陣を飾った。

3連続の圧勝劇!市田龍生都がデビュー戦で完全優勝「S級までは負けずに行きたい」

丸山留依

まるやま・るい
生年月日 2006年1月10日
登録予定地 静岡
第1回記録会 ゴールデンキャップ
第2回記録会 白帽
第3回記録会 白帽

中学まではサッカーに邁進し、高校から自転車競技をスタート。ナショナルチームメンバーとしてジュニア世界選手権トラックなどにも出場している。

養成所内で実施された「第1回トーナメント競走」でも優勝。レースでも、その力をしっかりと発揮している。

酒井亜樹

さかい・あき
生年月日 2001年9月19日
登録予定地 大阪
第1回記録会 ゴールデンキャップ
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

BMXレーシングからの転向で、トラックナショナルチームでもチームスプリントのスターター(第1走)として活躍。

スタートダッシュの速さは誰もが認めるところだったが、長距離でも実力を発揮し、3回連続でゴールデンキャップ獲得。しかも第3回記録会では500mで養成所記録を新たに樹立し、パワフルさを遺憾なく見せることとなった。古性優作に次ぐ、BMX出身競輪選手の「顔」となっていきそうだ。

三神遼矢

みかみ・りょうや
生年月日 2002年1月5日
登録予定地 福島
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

中学3年生の時にツール・ド・フランスの映像を見たことをきっかけに自転車競技への憧れを持った三神。最初は長距離を行っていたが、大学2年から本格的に短距離を走るようになり、養成所に入所。

第1回記録会では惜しくもゴールデンキャップを逃したが、後の2回では見事ゴールデンキャップを獲得。理想像はパリオリンピック代表として日の丸を背負った太田海也。「競技と競輪、両方を頑張っていきたい」と語っている。

大塚城

おおつか・じょう
生年月日 2005年11月26日
登録予定地 静岡
第1回記録会 黒帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

自転車競技を始めたのは高校から。「進路選択の時に地元に自転車競技部があることを知って、お父さん(英伸 82期)も選手ですし、ちょっとやってみようかなと思った」と語る。

第1回記録会では3000mで基準タイムをクリアできなかったものの、第2回記録会では10秒以上タイムを縮めてゴールデンキャップを獲得した。

邊見竜馬

へんみ・りょうま
生年月日 2002年3月1日
登録予定地 福島
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

高校時代は中長距離種目をメインに取り組んでいた邊見。第1回記録会では「環境やクロモリの自転車に慣れていなくて記録が伸びなかった」と言うが、それでも全種目AまたはS評価ではあった。

第2回記録会には高校時代の練習を取り入れ、中長距離のタイムを改善。第2回・第3回連続でゴールデンキャップ獲得に至った。

猿樂楓樹

さるがく・ふうき
生年月日 2001年5月26日
登録予定地 岡山
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 白帽

小学校から大学まで野球に取り組んできた猿樂。自転車競技を始めてまだ2年程度だが、第2回記録会ではゴールデンキャップを獲得しており、それ以外の記録会でもゴールデンキャップに次ぐ成績である白帽を獲得している。

「めずらしい名前なので、『猿樂と言ったら競輪選手』と思われる選手になる」と目標を掲げる猿樂。そうなるためのポテンシャルは十分と言えるだろう。

木村優駿

きむら・ゆうしゅん
生年月日 2005年10月30日
登録予定地 埼玉
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

高校時代からインターハイや高校選抜などで成績を残してきた木村。第1回記録会では白帽だったものの、第2回記録会でリベンジしてゴールデンキャップを獲得。

「短距離に更に磨きをかけていく」と語ったとおり、第3回記録会では200mTTでタイムを伸ばし、連続でのゴールデンキャップをつかんだ。

尾野翔一

おの・しょういち
生年月日 1999年9月22日
登録予定地 福岡
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

小学校から野球に邁進し、独立リーグ所属のプロ野球選手として活動。そこから転身、自転車未経験ながら「技能試験」にて入所し、競輪選手への道を歩み始めた。

第1回記録会ではゴールデンキャップを逃したが、「自主練習の時間など、空き時間があればすべて地脚練習に費やした」と地道な練習を重ね、第2回記録会では見事ゴールデンキャップを獲得。「瀧澤所長のような選手になれるよう、徹底先行を貫きます」と熱意に燃える。

杉浦颯太

すぎうら・はやた
生年月日 2005年5月19日
登録予定地 北海道
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

「父(康一 58期)が競輪選手なので、自分も競輪選手になろうと思って自転車を始めた」と語る杉浦。高校からスタートした自転車競技ではジュニアの国際大会にも出場し、アジア選手権でメダルを獲得するなど研鑽を重ねてきた。

第1回記録会ではゴールデンキャップを逃したものの、第2回記録会では鬼門の3000mをクリアしてゴールデンキャップ獲得。「長距離に苦手意識がありましたが『頑張れば希望はある』と挑みました」と語る。

世界を知る脚がどのように進化を見せるか楽しみにしたい。

野中龍之介

のなか・りゅうのすけ
生年月日 2001年9月27日
登録予定地 神奈川
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

明治大学の先輩である守澤太志に憧れてプロ選手を目指し、北井祐季のような南関東を代表する先行選手を目指している、と語る野中。第1回記録会では初めて走る3000mに苦戦したが、自主練を重ね、第2回記録会ではタイムを伸ばしゴールデンキャップを獲得した。

第2回記録会終了時に「第3回記録会でもゴールデンキャップを獲得」を目標として掲げ、有言実行で2回連続獲得を達成した。

長野魅切

ながの・みぎり
生年月日 2003年1月19日
登録予定地 愛媛
第1回記録会 白帽
第2回記録会 ゴールデンキャップ
第3回記録会 ゴールデンキャップ

野球から転身し、1浪を経て技能試験で入所している長野。入所してからはゴールデンキャップ獲得を目標に研鑽を積んできた。特に重点的に対策をしたのは200m。ライン取りのアドバイスを周りに頼むなどして改良を重ね、第2回・第3回記録会と連続でゴールデンキャップを獲得した。

脚質は地脚。脇本雄太のように「どこからでも仕掛けられる選手」が目指す姿だと語る。

第3回記録会ゴールデンキャップ獲得

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