2021年に産声を上げ、4シーズン目となった『UCIトラックチャンピオンズリーグ』。パリでの開幕戦を経た11月30日・12月1日、第2戦と第3戦がオランダのアペルドールンで実施された。男子は混戦、女子はトップ独走の状態に持ち込まれた。
連日実施された第2戦・第3戦をリポートしていく。
第2戦前の暫定総合トップは以下の通り。
第1戦終了時 総合トップ | |||
カテゴリー | 選手名 | 国 | ポイント |
男子・短距離 | マシュー・リチャードソン | イギリス | 40 |
女子・短距離 | エマ・フィヌカン | イギリス | 37 |
男子・中長距離 | ディラン・ビビック | カナダ | 33 |
女子・中長距離 | ケイティ・アーチボルド | イギリス | 40 |
迎えた第2戦はオランダ・アペルドールンで実施。2018年には世界選手権も開催されたオランダが誇るベロドロームだ。
男子短距離:ラブレイセンがホームバンクで巻き返す
男子短距離の注目ポイントは「ラブレイセンVSリチャードソン」の戦い。第1戦はリチャードソンが完勝した。
第2戦のスプリントでは注目のマシュー・リチャードソン(イギリス)がニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)に敗れ準決勝敗退。そんなポールを決勝で打ち破ったのはハリー・ラブレイセン(オランダ)。
ホームバンクで巻き返し始めると、ケイリンでもクリスティアン・オルテガ(コロンビア)に続く2着でフィニッシュ。一方のリチャードソンはケイリンでも4着と振るわず。
第2戦ではラブレイセンが総合トップに立つ結果となった。
迎えた翌日の第3戦。スプリント決勝では「ラブレイセンVSリチャードソン」が第1戦ぶりに実現。
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最終コーナーで先行のラブレイセンにリチャードソンが並びかける追い込みを見せるも、最後まで加速し続けたラブレイセンがホームの大歓声を受けて1着でフィニッシュした。
続くケイリン決勝にも駒を進めたラブレイセンとリチャードソン。
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先行したレイ・ホフマン(オーストラリア)を追撃するラブレイセンだったが、3番手のリチャードソンがさらに外側から捲り切り1着。
総合ポイント1位のラブレイセンに、2位のリチャードソンが5ポイント差で詰め寄り、まだまだ先が分からない状態で第3戦を終えた。
ハリー・ラブレイセン コメント(第3戦後)
Q:今日のレ―スはどうでした?
最後のケイリンは最後尾からのスタートとなり、早めに前に出たかったのですが、様々な動きがあって難しかったですね。
次のロンドンはとても体力的に厳しい2連戦となります。安定して良いパフォーマンスを出してブルージャージ*をキープしたいですね。
※ブルージャージ:チャンピオンズリーグの総合1位の選手に与えられる特別ジャージ。
Q:レース毎に調子が良くなってきていますか?
今日のケイリンは難しい結果となってしまいましたが、調子は上がってきていると思います。
来週は総合優勝を目指して頑張りますよ。
女子短距離:リシェンコが無双 総合トップへ
エルレス・アンドリュース(パリ2024チャンピオン)、エマ・フィヌカン(2024世界チャンピオン)を揃えた女子短距離カテゴリー。
エマ・フィヌカンがブルージャージを着用し始まった第2戦だったが、アペルドールンでの2連戦で主役となったのは若手アリナ・リシェンコ(AIN:個人参加)だった。
第2戦、第3戦と他を圧倒するレースを見せて、プリント&ケイリンで完全優勝(全レース1着)を達成。文句なしの総合トップへと輝いた。
女子短距離はリシェンコが大きくリードし、29ポイント差でコロンビアのマーサ・バヨナが2位浮上。第1戦で総合トップだったフィヌカンは5位に順位を落とし、ホーム・ロンドンでの最終第4・5戦に挑む。
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