山﨑賢人が優勝 37年ぶり史上2人目の日本人世界王者が誕生

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金メダル 山﨑賢人選手インタビュー

Q:金メダル、世界一、おめでとうございます。

2021年大会で、初めて世界選手権の決勝に乗った時は全然歯が立たなくて、やっとまた決勝に戻ってこられて……金メダルを取れるとは思っていなかったです。
自分の力を出し切ることだけを考えていましたが、運も味方してくれたのかなと思います。

Q:その2021年の時、レース後に涙を流していたのが印象的でしたが、今回はどうですか?

優勝したら涙が出ると思っていたのですが、まだ実感できていないみたいです。時間を置いたら、涙が出てくるかもしれません。

Q:決勝はこの日4本目のレース。疲れはありませんでしたか?

全然感じなかったです。ゴールした後も、もう1周行けると思っていたくらいです。嬉しさで、自分のなかでバグが起きていたのかもしれないですね。

Q:ゴール通過した瞬間、1位であることはわかっていた?

外も見えてはいましたが、自分の方が早くフィニッシュラインに到達していたことはわかっていました。嬉しかったです。

Q:多くのスタッフに迎えられ、ゴール後に旗を掲げていた時の心境は?

これまで世界の舞台では全然結果を出すことができていなかったのですが、サポートしてくれてきた皆さんになんとかメダルを見せてあげたいと思っていました。
僕は選手で結果を出す立場ですが、サポートしてくださる皆さんは表に出ない仕事なので、形としてメダルを持って帰りたい。時間はかかってしまいましたが、それが叶ってよかったです。

Q:メダルをいちばんに見せたいのは?

レース直前まで、携帯に家族からのメッセージが来ていました。長崎で応援してくれているはずなので、やっぱりまずは家族に見せたいですね。

Q:応援してくれたファンにも一言お願いします。

まだまだ自分の力は弱いですが、ここでひとつ結果を出すことができました。また次に向けて自分を強くして、皆さんに恩返しできるように頑張ります。

7位 中野慎詞選手インタビュー

Q:順位決定戦では意地を見せての1着でした。

自分が想像していた以上に体の仕上がりも良くて、メダルを獲れると思って臨んでいたので、メダルに届かず悔しいですね。

Q:中野選手にとっては今日が初日。レース前はどんな心境でしたか?

しっかり走れるかどうか、不安のほうが大きかったです。ジェイソン(・ニブレット コーチ)にもそのことを話しましたが、「オリンピックと同じ心境で走るのが難しいのは当然。でも、ここにも戦いに来ているんだから覚悟を決めるしかないぞ」と言葉をかけられました。自分としても、まずは落ち着くためにいつも通りのルーティンをこなしていくなかで、レースが近づくにつれて落ち着きを取り戻していったような感じでした。

Q:1回戦から準々決勝まで、いい形で先行して勝ち上がっているように見えました。

周りもよく見えていて、脚の状態もすごくよかったので、自信を持って戦えていました。準決勝での判断ミスが大きく勝敗を分けてしまったと思います。警戒されているなかでのレースだったと思うのですが、そのなかでどうやって自分の力を出すかを考えていかなくてはいけないですね。

Q:準決勝の判断ミスとは?

2コーナー前で動き始めた時に、もっと強く加速していかなくてはいけなかったのですが相手に合わされてしまいました。しっかりアクセルを踏んでいけたら、自分の得意なロングスプリントの展開に持って行けたのかなと思います。自分のミスですね。

Q:順位決定戦ではしっかりと勝ち切ることができました。

ハリー・ラブレイセン選手も同じレースにいて、オリンピックチャンピオンと力勝負ができるというはすごくいい経験でした。「ハリーを倒して世界に力を見せてやれ」とジェイソンからも言われていました。1着にゴールできたのはよかったです。

Q:山﨑選手が優勝、表彰式を見てどのような心境でしたか?

賢人さんがここまで積み上げてきたものが成績として現れたんだと思います。もちろん本当は自分が獲りたかったですが、賢人さんが優勝したというのは本当に素晴らしいこと。でも、来年は絶対に僕が取るんだ、という気持ちが強くなりました。近くに世界チャンピオンがいるというのは今後もいい環境でトレーニングができると思います。ぶっ倒してやろうと思います。