『パリ2024オリンピック』に出場し、帰国後すぐに挑んだ『女子オールスター競輪』では3連勝で優勝という離れ業を成し遂げた佐藤水菜。
8月24日に、小田原競輪場『北条早雲争奪杯(G3)』開催の場内イベントでトークショーに登壇し、9月6日より開幕する『全日本自転車競技選手権大会 トラック』にて中長距離種目に挑戦することを表明した。

中長距離デビューします!

『女子オールスター競輪』優勝直後であること、さらに自身のSNSにて「(このトークショーで)今後の活動について重大なお知らせがある」と発表していたこともあり、イベントには多くの人が集まった。
トークショーの冒頭で「重大なお知らせ」について振られると、満面の笑顔で切り出した。

「来月の『全日本自転車競技選手権大会 トラック』で、中長距離デビューします!スプリントのほかに、個人パシュート、スクラッチ、エリミネーションに出場予定です。皆さんの前で、自分の口からお伝えしたくて、この場で発表させてもらいました」

歴史に名を刻みたい

突然の発表に観客からはどよめきと大きな歓声が上がる。しかし、自身としては以前から考えていたことであり、密かな野望も持っているという。

「もともと中長距離種目にすごく興味があって、ナショナルチームのコーチに直談判しました。それから、女子の個人パシュートが来年から4kmに変更となるんです(※現在は3km)。このタイミングで挑戦して日本記録を残せば、歴史に名を刻めるかもしれない、と思っています(笑)」

最後の最後にひと踏ん張りできる

もともと抱いていたという中長距離種目への興味。それは、自身の脚質や強みに由来するものだったという。

「脚質的に長い距離を踏めるタイプであることと、レースの中で仮に失敗をしたとしても組み立て直せるという部分で、以前から中長距離のレースに魅力を感じていたんです。

それから、私の最大の魅力は、最後の最後にもうひと踏ん張りできることだと思っています。たとえば、ゴール前のラスト1周のスプリントだったり。そういった部分を活かすことで、チャンスはあるんじゃないかと思っています」

生まれてしまっていた“慣れ”

求められる能力が大きく異なる中長距離種目への対応は、トレーニングも含め容易ではないはずだが、すでに準備は進めている。

「練習に対して“慣れ”が出てきてしまっている部分があり、オリンピックが終わった後は、違うアプローチの練習を取り入れようという話もコーチ陣としていました。海外の選手はロードも強い選手が多いので、そういう分野も伸ばしていきたいとも感じていた。なので、今回はいいタイミングでの挑戦だと思っています。

この間エンデュランスのウォーミングアップに参加したとき、意外とすんなり入っていけたんです。ペースを刻むっていうことが好きだし、出し切る練習が好きなんでしょうね。慌てなくていいから、穏やかな気持ちで挑める」

見どころ満載の『全日本自転車競技選手権大会 トラック』

前述の通り、9月6日より開幕する『全日本自転車競技選手権大会 トラック』にて、佐藤水菜選手は「スプリント」のほか「エリミネーション」「スクラッチ」「個人パシュート」の中長距離3種目に出場を予定している。

パリ帰りの選手たちが参加することでも注目の大会だが、楽しみな要素がまたひとつ増えたと言えるだろう。

オリンピアンのワンツー 佐藤水菜が3連勝で「女子オールスター競輪」優勝 2着は太田/8月15日 平塚競輪場『第67回オールスター競輪(G1)』

女子も1kmTTに!自転車トラック競技4種目で競走距離が変更、2025年から