日本に馴染み深い「部活」という文化。「学生が、授業以外の時間に、指導者の元で、1年を通して活動を行う」ということは世界的にもあまり多くなく、この「部活」の文化が自転車競技を支える一端ともなっている。

では、高校の自転車部は全国でいくつくらいあるのだろう?学生の読者には当たり前のことかもしれないが、改めて紐解いてみよう。

全国の高校自転車部

公益財団法人 全国高等学校体育連盟 自転車競技専門部(以下、高体連)が公開している「令和5年度 登録校一覧」をまとめると、以下の通りとなる。

都道府県 学校数 主な学校
北海道 12 北海道帯広南商業高等学校
北海道旭川商業高等学校
青森 4 青森県立八戸工業高等学校
八戸工業大学第一高等学校
秋田 3 秋田県立大曲農業高等学校
秋田県立六郷高等学校
秋田県立能代科学技術高等学校
岩手 6 岩手県立盛岡農業高等学校
岩手県立紫波総合高等学校
宮城 6 学校法人南光学園東北高等学校
仙台市立仙台商業高等学校
山形 3 山形県立新庄神室産業高等学校
山形県立村山産業高等学校
福島 5 福島県立白河実業高等学校
福島県立修明高等学校
学校法人石川高等学校
福島県立平工業高等学校
茨城 4 茨城県立取手第一高等学校
栃木 2 私立作新学院高等学校
群馬 7 群馬県立前橋工業高等学校
群馬県立高崎工業高等学校
群馬県立伊勢崎興陽高等学校
埼玉 13 立教新座中学校・高等学校
栄北高等学校
埼玉県立杉戸農業高等学校
叡明高等学校
埼玉県立浦和北高等学校
埼玉県立大宮工業高等学校
城北埼玉高等学校
学校法人 国際学園 星槎国際高等学校 川口学習センター
東京 15 佼成学園高等学校
私立成城高等学校
東京都立八王子桑志高等学校
日本大学豊山高等学校
東京都立総合工科高等学校
神奈川 10 法政大学第二高等学校
神奈川県立保土ケ谷高等学校
神奈川県立保土ケ谷高等学校
湘南工科大学附属高等学校
新名学園旭丘高等学校
千葉 10 千葉経済大学附属高等学校
昭和学院高等学校
山梨 5 山梨県立甲府工業高等学校
山梨県立笛吹高等学校
山梨県立吉田高等学校
静岡 12 静岡県立伊豆総合高等学校
学校法人静岡理工科大学 星陵中学校・高等学校
学校法人静岡理工科大学静岡北高等学校
愛知 10 学校法人桜丘学園桜丘高等学校
学校法人 名古屋学院 名古屋高等学校
愛知産業大学工業高等学校
学校法人安城学園岡崎城西高等学校
愛知県立一色高等学校
学校法人中部大学中部大学第一高等学校
岐阜 2 岐阜県立岐南工業高等学校
学校法人松翠学園岐阜第一高等学校
三重 4 三重県立朝明高等学校
三重県立久居農林高等学校
三重高等学校
長野 6 長野県松本工業高等学校
長野県飯田風越高等学校
長野県白馬高等学校
新潟 3 新潟県立吉田高等学校
新潟県立柏崎工業高等学校
富山 1 富山県立氷見高等学校
石川 6 石川県立内灘高等学校
石川県立工業高等学校
金沢市立工業高等学校
福井 2 福井県立坂井高等学校
福井県立科学技術高等学校
滋賀 2 滋賀県立瀬田工業高等学校
奈良 2 奈良県立奈良北高等学校
奈良県立榛生昇陽・宇陀高等学校
和歌山 4 和歌山県立和歌山北高等学校
京都 7 京都府立北桑田高等学校
京都府立向陽高等学校
京都府立鴨沂高等学校
京都精華学園高等学校
大阪 10 大阪府立城東工科高等学校
大阪産業大学附属高等学校
興國高等学校
堺市立堺高等学校
初芝立命館高等学校
兵庫 5 兵庫県立飾磨工業高等学校多部制
岡山 3 岡山県立岡山工業高等学校
岡山県立興陽高等学校
岡山県立水島工業高等学校
広島 6 広島市立広島工業高等学校
広島山陽学園山陽高等学校
崇徳高等学校
鳥取 4 倉吉総合産業高等学校
鳥取県立倉吉西高等学校
鳥取県立米子東高等学校
島根 5 島根県立出雲工業高等学校
山口 4 誠英高等学校
山口県立防府商工高等学校
徳島 4 徳島県立小松島西高等学校
香川 6 香川県立石田高等学校
香川県立高松工芸高等学校
高知 8 土佐高等学校
愛媛 4 松山聖陵高等学校
愛媛県立松山工業高等学校
松山学院高等学校
福岡 4 祐誠高等学校
大分 2 大分県立別府翔青高等学校
大分県立日出総合高等学校
佐賀 3 龍谷高等学校
佐賀県立小城高等学校
長崎 1 長崎県立鹿町工業高等学校
熊本 3 熊本市立千原台高等学校
九州学院高等学校
開新高等学校
宮崎 6 宮崎県立都城工業高等学校
延岡学園高等学校
鹿児島 2 鹿児島県立南大隅高等学校
沖縄 8 沖縄県立北中城高等学校

※「主な学校」は令和5年度のインターハイ選抜の両方に出場している学校を基本として掲載

部活としては「少ない」かもしれないけど……

茨城国体

令和5年度時点で、高校自転車部は全国に254つある。この数字は、定番の部活である野球部やサッカー部などと比べると少ない気がしてしまうかもしれない。

しかし改めて考えてみてほしい。自転車競技は国体種目のため、基本的に全ての都道府県に競輪場・あるいは自転車競技場が設置されている。学校の所在地によって利用しやすさはまちまちだろうが、長期休みに集中的にバンクで練習をする、といったことは高校生にもできなくはない。恵まれた環境であると言える。

そして「どの県にも1校は自転車部のある学校がある」ということもポイントだ。47都道府県、日本全国どこにでも「自転車部の学生」がいる。自転車部は部活としては少ないかもしれないが、「自転車文化を支えるクラブチームが250以上ある」と思うと、日本はなかなかの「自転車大国」だと思えてくるのではないだろうか。

「自転車で食べていく」という進路

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