2024年3月18日、イギリスの中長距離選手であるローラ・ケニーの引退が、イギリス自転車競技連盟(British Cycling)より発表された。
ローラ・ケニーは、オリンピックにて「3大会連続金メダル」の偉業を成し遂げた女子中長距離選手。同じくイギリスの短距離選手であるジェイソン・ケニーと結婚し、「イギリス最強夫婦」として過去の記事でも何度か紹介してきた。
本記事では選手としての実績を振り返りつつ、本人コメントとともにローラ・ケニーの引退についてお伝えしていく。
British Cycling News(2024年3月18日)
20歳で「欧州・世界・オリンピック」制覇
1992年4月24日生まれ、イギリス女子中長距離選手。旧姓はローラ・トロット(以下ローラ・ケニーで統一)。
幼少期からサイクリングクラブに所属し、18歳の時にはチームパシュートでヨーロッパを制覇。翌年の『2011世界選手権トラック』では世界一に。
さらに翌年には「ロンドン2012オリンピック」に出場。オムニアムとチームパシュート(当時は3人制)で金メダルを獲得し、20歳にして「欧州・世界・オリンピック」を制覇した。
トラック最強夫婦誕生
その後も世界の舞台で活躍してきたローラ・ケニーは、2016年にジェイソン・ケニー(イギリス)と結婚。彼もイギリスが誇る男子短距離の選手である。結婚と同年に開催された「2016リオオリンピック」には、夫婦で出場している。
この大会でもオムニアムとチームパシュートに出場したローラ・ケニーは、両種目で金メダルを獲得、オリンピック2連覇を達成した(通算金メダル4枚目)。
なお夫のジェイソン・ケニーは、リオで通算6枚目の金メダルを獲得している。
「母親」と「選手」を兼任するロールモデルに
2017年に第1子を出産。出産からわずか6ヶ月で復帰し、競技を再開している。この脅威的なスピード復帰に関して、2023年11月に公開されたインタビュー映像の中で
「出産後でも選手継続が可能なことを証明する、ロールモデルになる必要があった」
と当時を振り返っている。
女性アスリートをも代表する存在となったローラ・ケニーは、復帰後も世界選手権やヨーロッパ選手権で活躍。世界選手権ではチームパシュートの3年連続銀メダル獲得に貢献(2017年〜2020年)した。