意外?順当?男女で微妙な違い
興味深かったのが、男女での「エントリー数が最も多い年齢」の微妙な違い。
以下は男子のみを集計したエントリー選手の年齢分布。ボリュームゾーンとなる1998〜2001年(23〜26歳)からまんべんなくエントリーがあり、その中でも一番エントリー数が多いのは23歳の2001年生まれ。
一方で、女子の年齢分布では98、97年生まれ(26、27歳)のエントリーが最多となった。
若干ではあるが、女子の方が「20代後半のエントリー率」が高いのだ。
この理由として、女子の方が選手の母数が少ない・競技に参入するきっかけが少ないぶん、技術が円熟して「ここを最後に引退」として定めるラインが27歳、男子より若干後ろだおしになっているのではないか……といったことが考えられよう。今大会はオリンピック直前期のものということもあり、そういった「引退ライン」とも直結する統計になっているかと思われる。
一方で平均年齢に均すと、むしろ男子選手の方が若干、平均年齢が高くなる(男子は25.73歳、女子は25.62歳)。これは「妊娠・出産という肉体的なハンデが発生しない」、すなわち「ピーク年齢を過ぎても競技を続けやすい」という生物学的な理由も関係しているのではないだろうか。
最年長は44歳、アジア銅メダリスト
その一方で、最年長での参加者も女子選手だ。
今回のネーションズカップ参加者最年長は、1980年生まれのオルガ・ザベリンスカヤ。2024年5月で44歳になる。
2012ロンドン、2016リオオリンピックでのメダリスト(いずれもロードレース)。東京2020オリンピックではロードレース種目で9位になっており、直近では2023アジア選手権マディソンにて表彰台に上がっている。
そしてザベリンスカヤは、3児の母でもある。妊娠・出産という肉体的なダメージ、そして年齢の壁も乗り越えながらなおもレースに挑み続け、ネーションズカップ第1戦にはマディソン・オムニアムに出場予定。
そもそもトップ選手ばかりが集まっているネーションズカップ。そのトップ選手の中でも、この年齢まで走り続けることはごく一部の選手にしかできないことだろう。
以下はザベリンスカヤをはじめとした、1980年代生まれの選手たち。2月2日からのネーションズカップ第1戦では、このような「超人」たちの走りにも注目してみてほしい。
選手名 | 国 | 生まれ年 | 2024年の年齢 |
エリア・ビビアーニ | ITA | 1989 | 35 |
窪木一茂 | JPN | 1989 | 35 |
アジズルハスニ・アワン | MAS | 1988 | 36 |
マチェイ・ビエレツキ | POL | 1987 | 37 |
ロジャー・クルーゲ | GER | 1986 | 38 |
ロッフィ・チャンバス | ALG | 1985 | 39 |
ケリー・マーフィー | IRL | 1989 | 35 |
エレナ・カサスロイヘ | ESP | 1988 | 36 |
ヤルミラ・マハチョヴァー | CZE | 1986 | 38 |
ブリアナ・ハーグレフ | AUS | 1983 | 41 |
オルガ・ザベリンスカヤ | UZB | 1980 | 44 |
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