静岡県・伊豆ベロドロームで2023年11月16日に開幕となった『ジャパントラックカップ』。3日間で2つの大会が開催され、最終日となる18日には2回目の男子オムニアムが実施された。出場したのは日本ナショナルチームを中心に海外や実業団から計20人。

スクラッチ

チュ・ツンワイ

10km、40周で競われるスクラッチ。最終着順がそのまま順位となる、シンプルな種目。

大きな動きがないまま、ひと塊の集団で周回が重ねられる。残り14周を切ると全体のスピードがアップし、残り10周あたりからは縦に長い集団へと形が変化していく。

残り8周、飛び出したのはチュ・ツンワイ(香港)。これをグランド・クーンツ(カナダ)が追走し、残り4周の頃にはチュ・ツンワイを追い越していく。この2人が集団から半周ほどリードした状態でフィニッシュとなり、着順はクーンツ、チュ・ツンワイ、そして集団ではイン・パク・ハイ(香港)が先頭で3着、4着が日本人トップとなった窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)。

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テンポレース

窪木一茂

10km、40周で行われるテンポレースでは、毎周回ごとに先頭の選手だけが1ポイントを獲得できる。

レースが始まると窪木一茂が単独でアタック。序盤のポイントを4連続で獲得して集団に吸収されると、今度は松田祥位がアタックし、2連続でポイントを獲得。このあとは山本哲央、岡本勝哉、橋本英也らブリヂストンのメンバーが積極的な走りを見せる中、1周遅れになる選手も出始める。

橋本英也

中盤からはクーンツ、橋本、兒島、今村の4人が先頭集団を形成。ここからさらに周回遅れのメンバーが入り混じった塊になっていくが、この中でも橋本が強さを見せてポイントを独占していく。

しかし残り6周からクーンツが単独で抜け出し、ポイントを重ねた上ラップ(1周追い抜き)で20ポイント加算に成功。土壇場で順位が変わり、1位クーンツ、2位橋本、3位兒島となった。

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エリミネーション

2周に1回最後方の選手が除外(エリミネート)されるエリミネーション。

最後の4人に残ったのは窪木一茂、今村駿介、橋本英也、兒島直樹。除外周回では4人横並びでフィニッシュラインに飛び込み、今村がエリミネートされる。その次に兒島がエリミネートされ、窪木と橋本の一騎打ち。先に窪木が仕掛けると、踏み遅れた橋本との間に大きなリードを得る。最後まで逃げ切った窪木が先着し、この種目の1位となった。

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ポイントレース

3種目が終わった時点でのポイント上位者は以下の通り。

橋本:108
窪木:106
兒島:102
クーンツ:100
今村:96

10ポイント差以内に4人がひしめく混戦となったポイントレースは25km、100周回で実施。

兒島直樹

序盤より集団が2つに分かれ、残り84周で1周遅れの選手が出るようなスピードのある展開。最初の2回のポイント周回を兒島が1着で通過し、暫定1位に。早々に暫定順位を塗り替えてしまう。

残り70周回、3回目のポイント周回をめがけるように山本哲央がアタック。山本の動きに対応した今村が先着し、1着5ポイントを獲得する。

残り60周を切ると、兒島とクーンツが抜け出しメイン集団へと迫っていく。残り45周になったところでメイン集団に追いつき、20ポイントの加算に成功した。

一方で橋本、窪木、兒島、山本、今村による逃げ集団が形成される。ここから窪木が単独で飛び出し、残り40周のポイント周回を1着で通過する。勢いそのままに走る窪木はメイン集団に追いついて+20ポイントに成功。

残り20周のポイント周回では兒島が1着通過し、この4人もメイン集団に追いつき、+20ポイント。

兒島:172
橋本:139
クーンツ:133
窪木:131

残りは2回のポイント周回。兒島が圧倒的ポイントリーダーになったところで集団はまた一つにまとまる。一列棒状の長い隊列になったところで、残り10周となるポイント周回は窪木が1着で通過し、暫定3位へと順位を上げてくる。

窪木を中心に6人の逃げ集団が形成されるが、徐々に差を詰めてきたのは、後方のメイン集団。残り1周で逃げ集団を飲みこみ、最後の戦いへ。ゴールスプリントは山本、兒島、橋本の順でフィニッシュ。最後で再びポイントを積み上げた兒島が優勝を決めた。

順位 選手名 所属 ポイント
1位 兒島直樹 チームブリヂストンサイクリング 178
2位 橋本英也 チームブリヂストンサイクリング 146
3位 窪木一茂 チームブリヂストンサイクリング 136

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兒島直樹コメント

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