オーストラリア元女子短距離選手であり、2022年4月からイギリス女子短距離チームのコーチを勤めてきたカーリー・マカラクが『2023世界選手権トラック』の終了をもって現職を退き、オーストラリアオリンピック委員会の選手副団長に就任することが発表された。

本記事では、オーストラリア自転車競技連盟の発表に加え、カーリー・マカラクがコーチを務めてきたイギリス自転車競技連盟による発表にも触れつつ内容をそれぞれご紹介する。

カーリー・マカラクの選手としての実績は以下記事をご覧いただきたい▼

イギリス女子チームの引き上げに貢献

2022年4月よりイギリス女子短距離チームのコーチに就任したカーリー・マカラク。「パリ2024オリンピック」とその先の「ロサンゼルス2028オリンピック」に向けたコーチングが期待されていた。

マカラクがコーチに就任したイギリス女子短距離チームは、20代前半の選手が中心の若手チーム。

チームスプリントで2秒短縮

左からエマ・フィヌカン, ソフィー・ケープウェル, ローレン・ベル

すでにチームスプリントにて、『2021世界選手権トラック』で銅メダルを獲得する実力を有していたイギリス女子チームだが、当時の予選・1回戦・3位決定戦のタイムは全て48秒台。しかしマカラク就任後の『2022世界選手権トラック』では、3本とも全て46秒台を記録するチームに成長。レベルアップする世界を相手に、再び銅メダルを獲得した。

個人種目でもメダル獲得

チームスプリント以外でも、『2023ネーションズカップ第2戦』のスプリントではイギリス女子選手がワンツーを決めるなど、個人種目でも多くのメダルを獲得。しかし「マンチェスターで生活しながら家族やパートナーとの暮らしを両立することが難しく」、マカラクはコーチを退任することに。

今後のイギリス女子短距離コーチは募集中となっている。

イギリス女子短距離チーム 獲得メダル一覧（2022年4月以降）

カーリー・マカラク コメント

「イギリス女子短距離チームでのコーチは、スポーツに関わってきた私の人生において最もやりがいのある活動となりました。

私にとって初のコーチの仕事をオファーしてくださり、私が持つビジョンを信頼してくださったことに大変感謝しています。オリンピックに向けたイギリスチームの活動を見届けられないのは残念ですが、マンチェスターで生活しながら私の家族やパートナーとの暮らしを両立することが難しく、このような決断を下しました」

Stephen Park氏（イギリスチーム パフォーマンスディレクター）コメント

「我々はカーリーが持っていた優秀なコーチになるためのポテンシャルに注目し、イギリスチームへ歓迎しました。成功やメダル獲得に向けた選手の能力向上を図るという役割を超え、カーリーは1人の人間としてチームにとって重要な人物となってくれました。この場を借りて、チームに対する彼女の貢献に感謝を伝え、今後の活躍を祈ります」

British Cycling リリース（2023年6月7日）

「オーストラリア選手副団長」に就任