『2023全日本選手権トラック』の大会3日目、伊豆ベロドロームにて日本自転車競技連盟およびHPCJCの主要陣が登壇しての記者会見が実施された。この会見は翌年に控えたパリオリンピックに向け、トラックチームの現状と展望を説明するもの。

出席者は日本自転車競技連盟会長 松村正之、日本自転車競技連盟強化委員長 中野浩一、HPCJCテクニカルディレクター ブノワ・ベトゥ、HPCJC短距離ヘッドコーチ ジェイソン・ニブレット、HPCJC中長距離ヘッドコーチ ダニエル・ギジガー、および通訳のアリス・ボナミの6人。

トラック競技主要大会「2023年スケジュール」

大会名 日程 開催地 クラス
ケンブリッジGP 1月6日〜1月7日 ニュージーランド・ケンブリッジ クラス1
ネーションズカップ第1戦 2月23日〜2月26日 インドネシア・ジャカルタ ネーションズカップ
ネーションズカップ第2戦 3月14日〜3月17日 エジプト・カイロ
ネーションズカップ第3戦 4月20日〜4月23日 カナダ・ミルトン
全日本選手権トラック 5月12日〜5月15日 伊豆ベロドローム 国内選手権
アジア選手権トラック 6月14日〜6月19日 マレーシア・ニライ 大陸選手権
世界選手権トラック 8月3日〜8月9日* イギリス・グラスゴー 世界選手権
ジュニア世界選手権トラック 8月23日〜8月27日 コロンビア・カリ
アジアンゲームズ(アジア競技大会) 9月23日〜10月8日 中国・杭州 地域競技大会
ジャパントラックカップ I 12月1日〜12月3日 伊豆ベロドローム クラス1
ジャパントラックカップ II 伊豆ベロドローム
JICF国際トラックカップ 12月9日〜12月10日 美鈴湖自転車競技場 クラス2

★マークとしたものがオリンピックの出場枠獲得につながるポイント対象大会。2024シーズンも時期未定ながら、ネーションズカップ全3戦とアジア選手権が予定されている。

これらの大会でどのような成績を残すかが、パリオリンピックに出場するための鍵となる。

出場枠獲得のルールはこちらの記事にて解説している。

『2024パリオリンピック』の出場枠獲得方法が明らかに!【トラック競技】

ブノワ・べトゥ テクニカルディレクター

Q:ここまでのシーズンを振り返り、チームとしての総括をお願いします。

短距離チームは世界と戦うレベルにある、メダル争いができると考えています。太田海也選手などは才能のある選手ですが、まだ世界大会の経験は3回のみ(世界選手権とネーションズカップ2回)。これからについてさらに期待できます。

中長距離女子には、梶原悠未選手のような世界で戦える選手がいますが、チームパシュートに関しては去年(2022)の11月にチームができたばかり。そんなチームで、オリンピック出場枠を取ることが今の目標です。

男子のチームパシュートも同じくまずは枠取りが目標ですが、そんな中でも窪木一茂選手は世界選手権のスクラッチで銀メダルを獲得しています。個人としてもポテンシャルのある選手ですし、マディソンにも期待ができると思います。もちろん技術など改善面はありますが、そこも期待できる要素。

全体として、日本は有望なチームだと思います。私たちの目標は「世界のランキングを揺るがすこと」です。

中野浩一 JCF強化委員長

Q:直近の大会で好成績を連発している太田海也についての印象は?

自転車のキャリアは短いですが、その前に行っていたボートで培ったものも多いのでしょう、今年のネーションズカップで世界チャンピオン相手にほぼ互角の戦いをするところにまでなりました。大きな期待を抱いています。

ヘッドコーチ陣

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