2022年9月に当初開幕が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症の影響により、2023年9月への延期が決定された『2022アジア競技大会(Asian Games)』。

ところで、「アジア競技大会(Asian Games)」とはどんな大会なのだろうか。「アジア選手権」と混同してしまう方もいらっしゃるかもしれない。

そこで本記事では、混同しやすいこの2種類の大会の違いについて簡単に解説していく。

延期となっていたアジア競技大会は2023年9月に開催/『2022年アジア競技大会(Asian Games)』中国・杭州

「アジア競技大会(Asian Games)」とは?

「アジア競技大会」は、アジア・オリンピック評議会(OCA)のもとで4年に1度開催されるアジア最大のスポーツの祭典。アジアの45の国と地域が参加可能となっている。

オリンピック種目に加え、アジアで人気・歴史のある”地域種目”なども実施可能であり、過去の大会ではカバディやセパタクロー、ボーリングなども実施されている。

簡単に言えば、”アジアのオリンピック”のような大会だ。

「アジア競技大会の歴史」(20th Asian Games Aichi-Nagoya 2026)

オリンピック正式種目である自転車トラック種目も、過去のアジア大会では実施されており、第19回大会となる『2022アジア競技大会(Asian Games)』では、以下5種目の自転車競技が実施予定となっている。

トラック
ロード
MTB
BMXレーシング
BMXフリースタイル

参照:『2022アジア競技大会(Asian Games)』公式サイト

「アジア選手権」との違い

古山稀絵 内野艶和, アジア選手権トラック2022, 女子マディソン

では、混同しやすい「アジア競技大会」と「アジア選手権」の違いを見ていこう。

アジア競技大会

以上で解説した通り、「アジア競技大会」とは大まかに、4年に1度、アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催する、”アジアのオリンピック”のような大会。多くの異なる競技が同大会内で実施される。

アジア選手権

一方、「アジア選手権」とは特定の各競技・種目ごとに”アジアの最強選手”を決める大会。ほとんどの競技では毎年1回開催される。

自転車競技の場合、ロードやトラックなど各種目、さらにエリートやジュニアなど各カテゴリーごとに毎年1回個別に実施され、主な主催者はアジア自転車競技連盟(ACC)。

例えば、日本選手が多くのメダルを獲得した『2022アジア選手権トラック(エリート&ジュニア)』では大会名の通り、自転車トラック競技のみ、そして「エリート・ジュニア」2カテゴリーのレースが同大会内で実施された。

日本人選手も多く活躍した、2022年各アジア選手権の結果は以下リンクから。

『2022アジア選手権トラック(エリート)』
『2022アジア選手権トラック(ジュニア)』
『2022アジア選手権パラサイクリング』
『2022アジア選手権BMXレーシング(エリート・U23・ジュニア)』

「大陸選手権」・「地域競技大会」という分類

アジアにおいて、国際自転車競技連合(UCI)が定める各「大陸選手権」とは、各自転車競技で行われる「アジア選手権」のことを指している。

従って「アジア選手権」の各種目で優勝した選手には、”大陸チャンピオン”としての称号やジャージが与えられ、トラック競技の場合では、世界選手権に出場するための”大陸チャンピオン枠”を獲得することができる。

一方の「アジア競技大会」はUCIにて「地域競技大会」という種類に分類されている。注目度は「アジア選手権」に劣らず大規模な大会だが、各種目の優勝者に以上のような称号や権利が与えられるわけではない。

この点は選手たちにとって、大きな違いとなる観点の1つだろう。

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