東京2020オリンピックが終わって1年。世界各国のチームで世代交換が行われている。そんな中、2022年春から開催されているネーションズカップにて、オーストラリアの新世代たちが強さを見せている。
これまで活躍してきた女子短距離のステファニー・モートンは東京2020オリンピックの延期を機に引退。男子短距離のマシュー・グレーツァーは健在だが、そこに追撃をかけている若手が、マシュー・リチャードソン。そして女子短距離としてはクリスティーナ・クロナンの強さが目を引く。
この記事では、この2人の若手にフォーカス。2024年パリオリンピックに向け、強敵となりそうなニュースターを要チェックだ。
マシュー・リチャードソン
『2022 UCIネーションズカップ』での成績
出場種目 | 結果 | 参考リンク | |
第1戦・グラスゴー | スプリント | 2位 | レポート / リザルト |
ケイリン | 3位 | レポート / リザルト | |
チームスプリント | 優勝 | レポート / リザルト | |
第2戦・ミルトン | スプリント | 優勝 | レポート / リザルト |
ケイリン | 2位 | レポート / リザルト |
ネーションズカップ2022年大会では、第1・2戦で出場した全5種目にてメダルを獲得。そのうち2つは金メダルだ。
個人種目のスプリントでは、第1戦にて不動の世界王者、ハリー・ラブレイセン(オランダ)に一歩及ばず銀メダルとなったが、続く第2戦では同じくオランダのスター選手、ジェフリー・ホーフラントを破り金メダルを獲得。ネーションズカップで自身初の個人タイトルを勝ち取った。
同じく2戦連続で出場したケイリンでも、3位から2位へと、大会を重ねるごとに表彰台のより高い場所へと勝ち進み、ポテンシャルの高さを見せつけた。
マシュー・リチャードソン経歴
1999年生まれ、23歳のトラック男子短距離選手。
イギリスのメードストンという町で生まれ、9歳の頃にオーストラリアに移住。
もともと幼少期より体操競技に励んでいたが、10代半ばに負った肘の故障をきっかけに体操から引退。
しかしサイクリングクラブを通して自転車に乗っていたマシュー・リチャードソンは、*オーストラリア西部スポーツセンターが主催する、自転車競技の体験セッションに参加。そこで才能が見出され、自転車トラック競技を本格的にスタートすることとなった。
*Western Australia Institute of Sport
そして2019年にトラック競技ナショナルチームの強化指定選手に選抜され、同年の世界選手権・チームスプリントにて出場を果たした。結果は同大会銀メダルに輝いたフランスチームに敗れ惜しくも6位となったが、続く世界選手権2020年大会では銅メダルに輝く活躍を見せた。
その後、国内選手権2020・2021年大会・スプリントにて2連覇を果たすなど、個人種目での実績も増やしている。
ネーションズカップ第1戦の前に実施された、オセアニア選手権2022年大会では、スプリント・ケイリンにて銀メダルを獲得。両種目とも同国先輩のスター選手、マシュー・グレーツァーが優勝した。そのマシュー・グレーツァー(29歳)とも出場した同大会チームスプリントでは見事優勝を果たしている。
偉大な先輩を追いかけながら、レイ・ホフマン、トーマス・コーニッシュらの同年代選手とともに切磋琢磨し、成長し続けるマシュー・リチャードソンに要注目だ。
主な実績
大会 | 種目 | 結果 | |
2019年 | ワールドカップ(香港) | チームスプリント | 優勝 |
国内選手権 | ケイリン | 2位 | |
2020年 | オセアニア選手権 | チームスプリント | 2位 |
世界選手権 | チームスプリント | 3位 | |
国内選手権 | スプリント | 優勝 | |
2021年 | 国内選手権 | スプリント | 優勝 |
チームスプリント | 3位 | ||
ケイリン | 3位 | ||
2022年 | 国内選手権 | スプリント | 2位 |
オセアニア選手権 | チームスプリント | 優勝 | |
スプリント | 2位 | ||
ケイリン | 2位 |
参照:Australian Olympic Committee , Cycling Archives