佐藤水菜選手インタビュー
Q:敗者復活戦から勝ち上がり、決勝へ進出しましたが、本日のレースを振り返るとどうでしょうか?
敗者復活戦では「1着上がりだから獲らなくちゃいけない」と思っていましたが、こういう大きいレースで1着を獲れたことが、まずとてもうれしかったです。
香港のネーションズカップ(2021年5月)の時はスプリントもケイリンも4着だったし、世界選手権(2021年12月)ケイリンでは2着-3着-2着。初めて公式大会で1着を獲ることができました。それから上がりタイムがハロン(200mFTT)より良かったので、そこは疑問が残ります(笑)。でも「まだまだ次に繋げられる」とも感じました、密度の濃い1戦でした。
Q:上がりタイムはちなみに?
1本目が10秒9、敗者復活戦が10秒8でした。ハロンは10秒98くらいなんですけど。
Q:目標があると速くなる、というのもありますよね。
だと思います。1人だと脚を使いすぎちゃうんだろうな、という反省も生まれました。
Q:加速に進化を感じました。中速から高速に移るときの加速力が特に抜きん出て見えたんですが、ご自身としての感触は?
気のせいだと思います(笑)
でも、2本目(準決勝)でローリン・ジェネスト選手が駆け出したとき、世界選手権より前の自分だったら抜けていなかったとは思います。彼女はすごくダッシュ力のある選手で、チャンピオンズリーグの3人スプリントの時でも「スッ」と合わされちゃって……頭を抱えていました。でも、トップスピードは同等なのかなと思います。だから作戦としては前に駆けてもらって、ある程度手伝ってもらったら、いけるのかなと。
Q:自身の作戦として「先行」ではなくなりつつありますか?
「先行させてもらえない大会だった」と思います。みんなが早々に動き出す(先行する)ところでは、出られないんです。そこのスピード域では出られないけど、その次で自分の番が来る、という感じです。
Q:決勝は緊張しましたか?
しなかったです。1回戦でエマ・ヒンツェに勝てていたので……エマにあそこまで合わせられて、それでも大丈夫だったことが自信になりました。敗者復活戦で1着になってジェネストにも勝てたし……それが良い意味で自信につながり、「逆にどこまでいけるのかな」という考えだったので、何も緊張はなかったです。
今回はケイリンは身体的にはキツく感じませんでした。全然脚にこないというか。
(小林)優香さんもいたから、なおさら緊張しませんでしたね。チームメイトが同じレースに出るとき、ジェイソンコーチはアドバイスをしないんです。だからコーチからの指示なしで、自分の感覚だけで自由にやることができた。「こうしなきゃいけない」というのがなかったので、緊張しませんでした。
でもこれが全員外国人の中で「好きに走れ」って言われたら「無理無理!」ってなります。あの状況だったからこそ、「自分の考えを見せられる」チャンスの場でもありました。
Q:決勝戦の作戦はあったんでしょうか?
一旦スタート前のベンチで並びを見ていました。「カナダが並んでるな、早めに仕掛けよう……でも早くいきすぎても良くないな、ジェネストに頼りすぎるのも、ケルシー・ミシェルに頼りすぎるのも、リー ソフィー・フリードリッヒに頼りすぎるのもダメ、自分のタイミングで……」って考えているところで落車が起こった感じでした。
落車した選手のバイザーが飛んできて当たりました。走るの止めるか、とも思ったのですが「あっ、走りきれば3位か!」って気づいたので走り切りました。
Q:そこで踏みやめる一瞬がなければ、金メダルに届いていたかもしれなかったですね。
前輪が潰れるのが怖い、という考えもあったんですよね。痛かったし、転びたくないし、安全第一、と思いました。でも直後に「やべ!」と思って追っかけました。ちょっと遅かったですね。
Q:嬉しさはどうですか?
嬉しくはありません……
2021年5月のガルコレ(日本選手権競輪内)も1位だったのですが、落車があったんです。クリーンに喜びたいです。去年の世界選手権もついてくだけでラッキーだったし、悔しいです。
小林優香選手インタビュー
Q:怪我は大丈夫でしょうか?
大丈夫です。擦過傷です。
Q:レースを振り返るとどうでしたか?
良い位置で良いスピードで走れたと思います。
「いける!」と思ったら落車してしまっていました。とっても悔しいです。
DNFの場合、UCIポイントはどうなる?
今回小林を含む3選手が事故のためにフィニッシュできず(DNF)3位となったが、3者とも3位相当のUCIポイントが付与される。
参照:UCI CYCLING REGULATIONS p.84
この大会の模様はSPEEDチャンネルにて放送予定。詳細は決まり次第お伝えしていく。