毎回走る前に心臓がバクバク、チームスプリント

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スプリントの傾向の違い

中野慎詞 小原佑太, 男子スプリント, 2021全日本トラック

Q:スプリントって結構久しぶりではないですか?

全日本選手権(2021年12月)で走ったきりで、その時も久しぶりでしたが……久しぶりですね。練習でも少し走っているので、自分の考えていることを出し切れれば対戦できると思っています。まずは冷静になって、焦らずにやろうと思います。

対戦では、フランス、オランダやイギリスの選手は脚を使って走ってくる傾向があります(体力勝負のこと)。日本の選手は脚を使うよりも「最後のスプリントに向けてどう走るか」に主軸を置きがち、という違いがあります。

相手のペースにのまれず、自分のペースで走るようにしないと勝負にならないかなと思っています。

Q:ちなみに「好きな種目」と聞いたらどの種目になるんでしょうか?

個人的にはチームスプリントが好きです。”チームスプリントでオリンピックの出場枠を取れれば個人種目の枠も取れる”という規定もありますし(※注1参照)、「みんなで力を合わせて走る」ということも魅力的です。自転車競技の短距離種目の中での団体種目はチームスプリントだけ。それぞれがベストを出せたら勝てる種目でもあり、みんなで頑張る要素があり……そういうところが好きですね。

※注1:パリ2024オリンピックの出場条件については、2022年5月9日時点で何も情報が出ていない

下の世代に焦る気持ちも

中野慎詞, 男子スプリント, 2021全日本トラック

中野慎詞

Q:チームスプリントのメンバー候補でもあり、競輪選手としても期待の新人である中野選手。小原選手から見て、彼ってどんな選手でしょうか?

競輪だと北日本、青森支部の後輩でもありますが、すごく気の使える良い子です。僕が競輪学校(現:競輪選手養成所)を卒業して、ナショナルチームに合流したタイミングとほぼ同じ時期に中野くんもナショナルに入っています。結構長い間一緒にいるんです。

だからこそどれくらいの強さかとか、どれくらい成長しているかとかをよく分かっている相手です。今後すごく期待の持てる選手だと思いますし、今の時点でも僕より強いし(笑)それこそ負けないように頑張らなきゃなと思っています。

Q:パリまであと2年で下の世代も現れつつある状況ですが、今のご自身についてどのように捉えていますか?焦りがあるとか、まだ下積みかなとか。

焦りはメチャクチャあります。それこそチームスプリントの2走についても、他の選手が意欲を見せています。僕としては2走の座を渡したくないし、他の選手に負けたくないという思いもあります。

パリまでは、あと2年しかありません。選考対象となる大会でしっかりアピールして、より上の大会に出場できるようにする必要があります。焦らないといけないし、とはいえ焦って怪我などしてはもっと悪い。

焦りつつ、焦り過ぎず、自分のペース以上の速さで頑張らなければいけないと思っています。

Q:今の自分の中の一番のテーマはなんでしょうか?

まずはスピードです。チームスプリントでもスピードを上げるのが僕の仕事ですし、ハロン(スプリントの予選200mFTT)でも9秒前半を出さないと世界のトップとは勝負になりません。持久力よりも、スピードを上げることが自分の中での課題です。

それから、チームスプリントでは長迫さんが良いタイムで走ってスタートを切ってくれるので、それに付いていけるようにする。これが2つ目の課題です。

Q:第2戦の具体的な目標を教えてください。

チームスプリントでは全体で43秒前半のタイムを出すこと。ケイリンでは決勝に残ってメダル争いに絡むこと。スプリントではまずハロンで9秒5、6あたりを出すことが目標です。

Q:では最後に、改めて意気込みをお願いします。

メダルを獲れるよう頑張ります。応援よろしくお願いします!

小原佑太, 男子ケイリン, 2021全日本トラック

日本時間入り UCIネーションズカップ第2戦スケジュール