オリンピックスペシャリスト
ジェイソン・ケニーは、オリンピックにおいて滅法強い選手だった。
毎年開催される世界選手権にも出場し合計9枚のメダルを獲得しているが、金メダルは3枚。もちろん十分輝かしい実績だが、一方4年に1度のオリンピックでは驚異の金メダル7枚獲得。「オリンピックに強い」選手と言えるだろう。
北京2008オリンピック
当時20歳のジェイソン・ケニーは、2008年の北京開催でオリンピックデビュー。チームスプリントではジェミー・スタッフと、イギリストラック競技を牽引していたクリス・ホイと出走し初の金メダルを獲得。この2人はジェイソン・ケニーより10歳以上年上の選手だ。
同大会でスプリントにも出場するも、惜しくも銀メダル。決勝を制し金メダルを獲得したのはクリス・ホイだった(同大会・ケイリンもホイが優勝)。
参照:Olympics.com(チームスプリント)、Olympics.com(スプリント)
ロンドン2012オリンピック
母国開催となった2012年のロンドン開催で、2回目の出場を果たしたジェイソン・ケニー。ホイらとともに出場したチームスプリントとスプリントの2種目で金メダルを獲得。
ちなみに、ジェイソン・ケニーとホイは奇しくも同じ誕生日だ。
参照:Olympics.com
リオ2016オリンピック
ロンドンオリンピック後にホイは引退。ジェイソン・ケニーは後続世代のトップ選手として、リオで3回目のオリンピック出場を果たした。
そしてこの大会で、出場した全種目(チームスプリント、スプリント、ケイリン)で金メダルを獲得。
イギリスチームにおいて「1大会3冠」は2大会前にクリス・ホイが100年ぶりに達成している。偉大な”先輩選手”の記録に追いついた大会となった。
大会終了後、 初出場のロンドン開催に続きリオ開催でも金メダルを獲得していたローラ・トロット(イギリス女子中長距離選手)と結婚。ここに、トラック競技最強夫婦が誕生した。
東京2020オリンピック
短距離種目では最年長を務め、同じく2008年の北京開催から出場している3歳年上のエド・クランシー(中長距離)とイギリス男子チームを率いて、4回目の出場を果たしたジェイソン・ケニー。スプリント・チームスプリント、ケイリンの3種目に挑んだ。
20代の2人を率いて出場した1種目目のチームスプリントでは、決勝まで進出するも、新記録を連発していた強豪オランダチームに敗れ銀メダル。続いて挑んだスプリントは8位。
しかし最終日の最後に実施されたケイリンでは決勝に進出。残り3周からの独走により後続に大きな差を付け見事優勝。金・銀1枚ずつを獲得し、金メダル、およびメダル獲得数においてイギリス人史上最多記録を更新した。
同じく本大会に出場したローラ・ケニーは金・銀1枚ずつ獲得。国別でトップとなったイギリスの最多メダル獲得数に夫婦で大きく貢献した。
参照:British Cycling(ジェイソン・ケニー)、British Cycling(ローラ・ケニー)