3月11日〜15日の5日間、全5ステージで行われた2018ツール・ド・台湾で、新城幸也が個人総合優勝を果たした。新城にとって、個人総合優勝は2012年のツール・ド・リムザン(フランス)以来の6年ぶり、日本代表チームとしては初の総合優勝となった。

第5ステージ、最終日は台湾南部の屏東県政府から市街地を抜けて台湾南端まで海岸線を往復し、最後は大鵬湾を回る12kmの周回コースを3周するほぼフラットな192km。

新城は第4ステージを終えた時点で、個人総合で首位に。最終日はリーダージャージを着用してのスタートとなったが、2位のジョナサン・クラーク(オーストラリア、ユナイテッドヘルスケア)とはわずか2秒差、途中のスプリントポイントや、ゴールラインの着順で与えられるボーナスタイムで逆転される可能性もあるため、新城にとっても、リーダーを守る日本チームのメンバーにとっても、最後まで気の抜けない緊張の192kmとなった。

小野寺玲/鈴木龍/岡本隼/雨澤毅明/新城幸也

新城を守りながら走る日本チーム。先頭から、小野寺玲/鈴木龍/岡本隼/雨澤毅明/新城 photo Miwa IIJIMA

新城幸也

左/山岳賞ジャージのジミー・ヤンセン(ベルギー、チベル・セボン)
中央/個人総合優勝のリーダージャージ 新城
右/エドウィン・アヴィラ(コロンビア、イスラエルサイクリングアカデミー)

新城選手のコメントが届いている。

日本チームとして、日本のために

うれしいです。本当に。本来ならヨーロッパのレースを走っているシーズンですが、レースがキャンセルになったり、メンバー変更でレースが無かった自分に、日本チームとして出場の機会を与えてもらったので、出るからには日本のためにも絶対に大量のUCIポイントを獲得しなければならないという強い想いがありました。

第1ステージで岡本が優勝し、日本チームがチームとして、きちんと機能するということを証明できたが、その後のステージで、自分のミスで勝てるチャンスを逃してしまったので絶対に挽回したかった。

メンバーひとり一人にありがとう

頼りになる佐野淳哉選手がリタイアしてしまって、自分のリーダージャージを守る日本チームは、一人少ないという不利な立場だったにもかかわらず、4人の若手選手が本当に良く働いてくれて、頼もしかった。

ひとり一人にありがとうと言いたいし、守り切ってくれたことに自信をもって、この経験を今後のレースに繋げて欲しい。これまで、浅田監督のもと、U23のメンバーでヨーロッパの遠征を積んできた成果を感じました。

自分もこの結果で今後のヨーロッパでの出場レースも大きく関わってくると思うので、ヨーロッパに戻ってからのレースを走るのが楽しみです。日本はもちろん、台湾やアジア中からたくさんの応援、ありがとうございました。

新城幸也

リーダージャージを着用して走る新城 PhotoMiwa IIJIMA

今後の新城はフランスの自宅に戻り、4月2日に開幕するスペインでのワールドツアーステージレース『ヴエルタ・シクリスタ・アル・ペイ・バスコ』に出場予定だ。

Text:飯島美和

『Team ユキヤ通信 2018 №14』15,Mar ,2018 at Taiwan

新城幸也「ヴィジョン映像で優勝を知りました(笑)」/ツール・ド・台湾2018 ユキヤ通信vol.10

トラブル発生でレースが中断、新城幸也「最後まで優勝あきらめない」/ツール・ド・台湾2018 ユキヤ通信vol.11

新城幸也、悔しさに叫びながら2位でゴール/ツール・ド・台湾2018 ユキヤ通信vol.12

新城幸也が個人総合トップに「1番良いスプリントができた」/ツール・ド・台湾2018 ユキヤ通信vol.13