広がったままのタイム差
前日の男子レースでは、道志みちの途中で瞬間的に雨が降ったため一瞬気温が下がったが、この日は強い日差しが体力を奪っていくばかり。チームカーから多くの選手が頻繁に補給を受け取りつつ、冷えたボトルや氷で体を冷やしていた。
残り120kmを過ぎた頃、逃げとのタイム差は4分30秒を越えた。集団から一時ドイツの選手が飛び出すシーンも見られたが、逃してはもらえず、再び集団は落ち着きを取り戻した。
途中、マリナ・サリナス(パラグアイ)とカタリーナ・ソト(チリ)が集団から抜け出し、2つめの追走グループができあがると、1つ目の追走グループの2人をすぐに追い抜いていく。最初に出たアムハとデベセイの追走グループは集団に追いつかれ、吸収されていった。
レースは折り返しに
残り100kmを過ぎると、集団と先頭逃げグループ5人との差は10分以上まで広がった。すると、いよいよオランダのヴォラーリングが集団を牽引し始める。
一方、道志みちの上りをいいペースで上る逃げメンバーからはルーザー(ナミビア)が落ち、そしてそこから十数kmのところで今度はオベホルツァー(南アフリカ)が力尽きた。逃げは3人となったが、ペースは落ちず、むしろ快調に飛ばしながらレース折り返しを迎えた。
集団ではオランダに加えてベルギーが集団牽引に加わり始める。そんな中、上りの途中でファンフルーテンとエマ・ヨレンセン(デンマーク)が落車してしまう。しかし、2人ともすぐに立ち上がり再乗した。
強豪たちのアタック合戦
長い上り区間が終わる間際の数kmで、先ほどまで集団を引いていたのヴォラーリングがアタック。集団は一気にペースが上がり、縦一列棒上となった。さすがにまずいとドイツチームが必死に追走をかけ、ヴォラーリングを捕まえるが、今度はレア・トーマス(アメリカ)がアタック。さらにはファンデルブレッヘン、ヴォスと強豪オランダ勢によるアタック合戦が続いたが、そこでの飛び出しは全て捕まえられた。
先頭が道志みちの上りを終え、山中湖への下りに入る頃、集団とのタイム差は8分半ほどと少し縮まったが、先頭のペースが変わらず、差はなかなか縮まらない。
集団が上りの最終盤に差し掛かったところで、今度はファンフルテンが切れ味鋭いアタックで、単独での抜け出しに成功した。これを追う集団のペースアップにより、集団後方にいた選手たちが遅れ始める。その中には金子の姿も。集団はバラバラになっていく中、與那嶺は集団に残る。
一方の先頭逃げ集団でも積極的に前を引いていたキーセンホーファーが単独で先頭となる。5分後方からはファンフルテンが同じく単独で前を追う。ファンフルテンが一気に差を縮める展開と思いきや、5分程度の差のままでタイムが縮まらない。
逆にファンフルテンが残り30kmほどの富士スピードウェイに入る手前の小さな坂区間で集団に捕らえられると、遅れた選手たちが一部合流できるほどに一旦ペースが落ちた。