フランスが歓喜に沸いた個人タイムトライアル(第13ステージ)
今大会唯一の個人タイムトライアル(以下個人TT)となった第13ステージ。ポーの市街地から丘陵地帯を抜け、再びポーに戻ってくる27.2kmのコース。フィニッシュ直前には最大勾配17%、205mの激坂が待ち構える。個人TTは個人総合や新人賞争いに大きく影響してくるため、総合勢にはプレッシャーがかかるステージとなった。
トーマス・デヘント(ロット・ソウダル)がしばらく暫定トップタイムを記録し、迎えた最後から2番目の出走はゲラント・トーマス(チーム・イネオス)。トーマスはデヘントのタイムを塗り替え暫定トップへ。しかし、最終出走者のアラフィリップが好調な走りを見せ、予想外のステージ優勝を飾った。
誰も予想をしていなかったアラフィリップによるステージ優勝。この大会でのフランス人の個人TTステージ優勝は18年ぶり。そしてマイヨ・ジョーヌ生誕100周年の記念日となった7月19日にフランスのファン達を大いに沸かせる結果となった。
That winning feeling!#TDF2019
Video: @veloncc pic.twitter.com/UNTQplpeRm— Soudal Quick-Step Pro Cycling Team (@soudalquickstep) July 20, 2019
動く総合争い
この個人TTによって個人総合争い及び新人賞争いに変動があり、ステージ22位で終えた新人賞ジャージのエガン・ベルナル(チーム・イネオス)が個人総合3位から5位へと後退し、個人総合6位だったエンリック・マスが個人総合4位へ、そしてベルナルに8秒差を付けて新人賞ジャージの奪還にも成功した。
Ha sido una contrarreloj dura, con mucho calor, y estoy contento con mi actuación. Vestir el maillot blanco del @letour es un orgullo y un sueño hecho realidad pero el camino hasta París es larguísimo. Seguiré luchando todos los días… @deceuninck_qst 📷@GettyImages pic.twitter.com/dXkit6tWQN
— Enric Mas Nicolau (@EnricMasNicolau) July 19, 2019
また、個人TTが苦手なナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)やダン・マーティン(UAE・チームエミレーツ)らは順位を下げる結果となった。そして今シーズンからロードレースへと転向し、大会中に何度も見せ場を作っていた元シクロクロス世界王者、ワウト・バン・アールト(チーム・ユンボビスマ)が落車によってツールを去ることに。
アラフィリップは個人総合2位のトーマスに1分26秒のリードで、ピレネー山脈の激闘となる第14・15ステージへと進んだ。