ツール・ド・フランスは黄色いジャージ、勝者の証「マイヨ・ジョーヌ」を巡る全21ステージの戦い。前回は第10ステージまでのまとめを紹介したが、今回は第11〜15ステージまでのレースの行方をお届けする。マイヨ・ジョーヌ、そして各賞の行方は今どうなっているのか?

黄色い真夏の風物詩「ツール・ド・フランス2019」第1~10ステージまとめ

個人総合(第15ステージ終了時)

第11ステージから依然としてジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がキープ。

山岳賞(第15ステージ終了時)

ティム・ウェレンス(ロット・ソウダル)は大会前半で稼いだポイントを維持し、山岳賞ジャージを着続けている。大会終盤に設定されているアルプス連戦でジャージを守りきれるのか。

ポイント賞(第15ステージ終了時)

2位以下と90ポイント以上の差をつけて圧倒的な強さを誇るペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)。最終日までジャージを維持して、7回目のポイント賞獲得はなるか。

新人賞(第15ステージ終了時)

個人TTとピレネー山岳連戦で激化した新人賞争いは、エガン・ベルナル(チーム・イネオス)がキープ。合わせて個人総合の表彰台も狙える位置につけている。

ここからは第11~15ステージで何が起きたのか、レースを追っていく。

山岳ステージ前 スプリンターたちの舞台(第11ステージ)

大会最初の休息日明けとなった第11ステージ。山岳ステージが始まってしまうと目立たなくなるスプリンターたちにとっての活躍の場となった。

ゴールスプリントではディラン・フルーネウェーヘン(チーム・ユンボビスマ)、カレブ・ユアン(ロット・ソウダル)、ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)、エリア・ビビアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)らの争いとなったが、勢いよく飛び出したユアンがフルーネウェーヘンを交わし、ツール初のステージ優勝を飾った。

フルーネウェーヘンとの接戦を制したユアン(写真左)参考:LeTour

華やかしいゴールスプリントの前にはアンラッキーに見舞われる選手もいた。フィニッシュまで残り30km地点で起きた落車が発生し、ナイロ・キンタナ(モビスター・チーム)やリッチー・ポート(トレック・セガフレード)など、個人総合を狙う選手たちが巻き込まれる。2人は集団に復帰するが、トタル・ディレクトエナジーのエースだったニキ・テルプルストラがこの落車によって肩甲骨骨折と腱損傷。そしてリタイアとなった。

ピレネー山脈での初日、各賞変動の無し(第12ステージ)

ピレネー山脈の初日となった第12ステージでは逃げ集団からステージ優勝者が出る結果となった。最後にはサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が逃げ集団内のスプリント勝負を制し、自身初のツールでのステージ優勝を飾った。

スプリント勝負を制したサイモン・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)参考:LeTour

また、チームメイトのマッテーオ・トレンティンが第12ステージの敢闘賞1)を獲得。ミッチェルトン・スコットが大活躍した1日となった。

1)敢闘賞…各ステージで全力を尽くした、勇敢な走りをした選手に与えられる賞

マイヨ・ジョーヌは変わらずアラフィリップがキープし、その他各賞の変動も無し。
次のステージ、今大会唯一の個人タイムトライアルへと進んだ。

フランスが歓喜に沸いた個人タイムトライアル