新城幸也「3ヶ月の思いをぶつけて走り切った」

悔しい気持ちだけです。

序盤から結構みんな前に行きたがっていて、前が決まってから追走が9人くらい行った時、「これは頑張んなきゃいけないな」と思って脚を使って前に追いつきました。前半はそんな感じで、みんなチームで挑んでいる中、僕らみたいな個人で戦ってる選手には難しい展開でした。脚を使いながら「これは大丈夫、これはダメ」と選別しながら無理をして前半を過ごしました。

やはり少人数での戦いは、今日のラスト3周みたいにきつい戦いになります。自分はヨーロッパのレースの走り方は知ってるかどうかという違いはありますが、決して全日本が簡単なレースということではありません。彼らを千切るとか、脚を使わせるっていうのは簡単にはいきませんでした。

2019全日本選手権ロードレース

全日本チャンピオンらしく走りたかったので「脚を使って勝ちたい」という思いがありました。集団スプリントのことは考えず、とことん行きました。最後に(他の2人を)千切れなかったのは自分の甘さですね。僕は3月に落車して復帰したばかりなので、悔しさはありますけど、この3ヶ月の思いをぶつけて走り切れたかなと思います。

怪我から復帰したばかりだが、巻き返していきたい

3月に骨折して翌日に手術をして、最初の1ヶ月半は歩くこともできず、6週目過ぎからローラーに乗り始めました。2ヶ月目に実走でしたね。

今はそこから1ヶ月ちょっと経って、1レースヨーロッパで走って来ましたが、肘はまだスクリューとワイヤーが入っているせいで完全にはまっすぐ伸ばせません。スプリントでも大きな力が入れられない状態ですが、それは付き合っていくしかないですね。骨盤の方は今日の感じを見たところ治ったかな、と。肘もこれから良くなれば、もっと良いパフォーマンスを出せるんじゃないかなと思います。

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肘のワイヤーを抜く手術をしてしまうと1週間くらいは汗をかけないので、タイミングが合わなくてまだできてないです。全日本のためのトレーニングをするためにはそうするしかなかったということもあります。でも競技の上では抜かないと邪魔になりますし、いずれオフシーズンに(ワイヤーを抜く手術は)やることになると思います。

落車して怪我をしたことは良いように捉えれば、もっと上がれるチャンスです。マイナスになった分を、もう一回去年の100パーセントを超えるところまで上げるのが今年のプランです。

今の僕がどれくらいオリンピックに可能性があるかわかりませんが、これまで2度オリンピックに出させてもらって、そしてこの15年間ヨーロッパでやってきて、初めて自分の地元で世界的大会が行われる。「自分が一番強い時に、日本でみなさんに走る姿を見せたい」と常々思っていますから、怪我から復帰したばかりですが、これからオリンピックに向けて巻き返していきたいです。

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