レポートはレースへ戻ります

3/3 Page

【男子U23】サバイバルレースのクライマックスは2人の“熱闘”

総距離は112キロ、8キロのサーキットを14周、出走人数は119人で争われたU-23のレース。昨年は完走者がおよそ30%だったこともあり、今年も厳しいレースが予想された。

出走表のサイン

スタートは去年3位の松井丈治が先頭で始まった

レースは序盤から逃げ集団とメイン集団が形成され、ロードレースらしい展開で始まる。
7人ほどの逃げ集団が最大3分程度の差で逃げていったが、長島慧明(AX cycling team)、森本凛太郎(ヴェロリアン松山)、柚木伸元(KINAN Racing Team)などを含む逃げ集団は徐々に数を減らしていき、折り返しとなる残り7周の時には、ほぼ集団は吸収されて振り出しへ。

10周回目。気温も30度を超えてサバイバル感が強くなった終盤。集団から飛び出したのは神谷啓人(京都産業大学)、金井健翔(スパークル大分)、そして梅澤幹太(チームブリヂストンサイクリング)。金井と梅澤のアタックは不発となったが神谷が1分程度のリードを得て逃げ続ける。

119人で始まったレースはおよそ40人まで減って11周回目へ。神谷が逃げていき、30秒程度の差で20人ほどの追走集団、そしてその後ろ、1分ほどで後続が更に20人となって進んでいく。ロードレースらしいチーム戦というよりは、個人でどこまでタフなレースに耐え続けられるのかといった展開となった。そして11周回目で神谷が捕まると、先頭集団の中にいる選手が優勝するのではないか、雰囲気が会場に流れ出す。

残り3周。橋川丈(愛三工業レーシングチーム)と森田叶夢(京都産業大学)がアタックし抜け出すとレースは一気にヒートアップしていく。1分差で2人を追う集団は既に10人程度に減り、散り散りなっていく。

残り2周、集団との差を広げながら走る橋川と森田を追うのは1分の差で松井丈治(愛三工業レーシングチーム)が単独、そしてその後ろに阿部源(VC FUKUOKA)。メイン集団は先頭の2人から2分ほど遅れて10人ほどの塊となっていた。先頭の勢いを考えると、この時点で表彰台争いは前の4人に絞られる。

最終周回。先頭の森田と橋川は更にリードを広げて優勝争いへ。会場のアナウンスによると森田が残り5キロでアタックするが決定的な攻撃にはならなかったよう。そして2人の差がつかないまま最後のストレートへ。最後は緩やかな上りからのストレート。直線に入ると森田が前、橋川が後ろとなってゴールスプリント勝負が始まった。

そして前の位置を守り切ったのは森田。右手を大きく上げて、フィニッシュラインを超えると、初のU23カテゴリーでのタイトル獲得を果たした。2位には僅差で橋川、3位争いは阿部の追走を振り切った松井。

完走者は119人中22人と、出走者のおよそ2割しか残らない厳しいレースとなった。

優勝 森田叶夢選手 表彰台インタビュー

Q:最後、橋川選手との2人で逃げ続けている状況でした。想定通りというところだったでしょうか?

全く想定通りではありませんでした。最後は行くときに行かないと、自分で勝負しないとと決めて、最後に勝負ができたのが良かったと思います。

Q:タイトルを獲りました。今後に向けては?

今後は周りから走りを観られるようになると思います。(このチャンピオン)ジャージの重みというものを感じるので、しっかりチャンピオンらしい走りが出来るように積極的なレースで頑張りたいです。

2位 橋川丈選手 表彰台インタビュー

Q:最後はハンドルを叩く姿もありました。レースはどうでしたか?

ちょっと悔しかったです。ただ自分としては前半からしっかりレース展開を作って、周りの足を削って、自分の実力を見せられたかと思います。今後の目標はヨーロッパのワールドツアーで走ることです。その舞台に立てるように、もっともっと強くなって頑張っていきたいなと思います。

3位 松井丈治選手 表彰台インタビュー

Q:後ろから阿部選手が追いかけてくるというプレッシャーもある中での成績。 2年連続の表彰台ですが、今の気持ちはどうでしょうか?

去年よりは良い成績を取りたかったです。前に同チームの橋川選手がいたので追いついて数的有利な状況を作りたかったのですが、力及ばずでした。
来年も走らせてもらう予定なので、来年こそは(チャンピオン)ジャージを獲れるように頑張ります。

男子U23 リザルト(PDF)

伊豆で開催の『2025全日本選手権ロード』 トラック競技ナショナルチームメンバーも多数エントリー/6月21日(土)・22日(日)