拡大する女子ワールドツアー

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日本の強化策にも通じる、他競技の成績を加算できる新制度

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2024年にロードとトラックで世界一に輝いたロッテ・コペツキー(ベルギー)

最後に、こちらも女子に限ったことではないが、注目の新制度を紹介。

それは、「他競技で残した成績に応じたポイント」「所属ロードチームのポイントに加算できる」というもので、2027年より男女ともに導入予定。

例えば、トラック競技での成績もロードのポイントへ反映される、ということだ。

NEXETISに加入した池田瑞紀と内野艶和ほか、ロードでもトラック競技ナショナルチームメンバーが活躍中

これにより、複数競技にまたがる選手活動や、チームの編成多様性が、活発となることが見込まれる。

この流れは、日本のナショナルチームが進める「多様な自転車種目との連携」による強化方針とも通じるものであり、UCIが制度整備を進める中で、日本の選手たちがその環境を最大限に活かせることが期待される。

また、ロードのスター選手によるさらなるトラック競技への参入も実現するかもしれない。

エリサ・バルサモ, BALSAMO Elisa, キアラ・コンソーニ, CONSONNI Chiara, マルティーナ・フィダンザ, FIDANZA Martina, ヴィットーリア・グアッツィーニ, GUAZZINI Vittoria, ITA, 女子チームパシュート 決勝, WOMEN'S Team Pursuit Final for Gold, 2024トラックネーションズカップ ミルトン, 2024 UCI TRACK NATIONS CUP Milton, Canada

ロードのスター選手が集まるイタリアトラックチーム

その他、次の3年サイクル(2026年〜28年)に向けたポイント制度の改定も発表されている。女子ワールドツアーにおいては、これまで独自だったポイント配分が男子と統一されることとなった。

女子ロードの進化に注目

これら一連の発表は、女子選手の待遇やキャリアパス、そして競技そのものの価値向上を意図した構造改革ともいえる。2026年以降いかなる進化を遂げていくかが、今後の注目ポイントとなる。

トラック競技日本ナショナルチーム コーチ陣新体制を発表 「多様な自転車種目との連携」による強化を目指す

清水裕輔、小橋勇利がロード種目日本代表コーチに就任「他競技との連携」を掲げる