2025年5月28日、公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)より、『LA2028』に向けたトラック競技ナショナルチームのコーチ陣新体制が発表された。
トラック競技ナショナルチーム コーチ陣新体制
JCFハイパフォーマンスディレクター:三瓶将廣

トラック種目においては、東京オリンピック、パリオリンピックと着実にステップアップを重ね、昨年は世界チャンピオンを獲得など目標である世界の頂点にあと一歩のところまで近づいてきました。
今後も多様な自転車種目との連携を図りながら、新たなディレクターやコーチングスタッフと共に、世界の強豪国と肩を並べるパフォーマンスを発揮できるチームづくりを進めていきます。
強化体制の構築にあたっては、全体の基盤づくりや選手育成のパスウェイを含め、長期的視野で持続可能な強化の仕組みづくりに取り組んでまいります。
選手強化スーパーバイザー:中野浩一

パリ2024大会後、トラック部会で体制について協議をしてきた結果、新たな形となりました。LA2028大会での金メダル獲得に向け、発表する体制が最善だと認識しています。
エリートからジュニアまで、しっかりと統率の取れた強化を行うことで更なる高みを目指していける体制だと期待しています。
選手強化委員長:小野口裕朗
去年の世界選手権では3人の選手が世界一になるなど、パリ2024大会の雪辱を果たす結果を残しました。ただ、ここで我々の挑戦が終わるわけではありません。新たな体制では更なる結果を残します。
JCFハイパフォーマンスセンター(HPCJC)ディレクター:ミゲル・トーレス

日本に戻り、JCFハイパフォーマンスセンター(HPCJC)のディレクターとしての職務を再び担う機会をいただき大変光栄に思います。
私たちの取り組みは、選手一人ひとりが自らの力を最大限に発揮できるよう、支援・環境・機会が整った強固で一貫したパスウェイを構築・強化することです。トレーニングセンターでの日常的な育成活動と、ナショナルチームによる国際大会での経験を通じて、それを実現していきます。
やるべきことは多くありますが、日本の可能性を信じています。ロサンゼルス2028、ブリスベン2032オリンピックに向けて、素晴らしいチームとともに着実に前進していけることを楽しみにしています。
短距離ヘッドコーチ:ジェイソン・ニブレット

新たなアプローチを用い、科学的にトレーニングを行うことで更に強くなることが新体制では見込まれます。
パリ2024でも狙ったことではありますが、目標はオリンピックでメダルを獲得すること。狙った種目でメダルを獲得できるようにトレーニングを重ねていきます。
中距離ヘッドコーチ:ダニエル・ギジガー

中距離の選手たちは日々成長を遂げています。ただ、今後必要になるのはロード種目との掛け合わせによる強化だと思っています。
欧州でのロードレースによるトラック種目の身体的強化、そしてトラック種目で得られる技術面をロードに活かしていくことで、日本チームは更なる飛躍を遂げることができます。今後はそういった種目間の行き来を多くして、強化を図り、LAを目指していきたいです。
ジュニア・短距離アドバイザー:新田祐大

ジュニアコーチ:上野みなみ

「連携」を強調するチームJAPAN一丸体制
JCFハイパフォーマンスディレクター 三瓶将廣氏のコメントにある「多様な自転車種目との連携」という言葉。
2025年4月に、ロード種目日本代表コーチとして清水裕輔、小橋勇利 両氏が就任した際も、清水氏から「他競技との連携や国際的なトレンドの積極的な導入を通じて、新たな視点から競技力向上を図る」というコメントが発表されていた。
ダニエル・ギジガー氏からは具体的に「ロード種目との掛け合わせ」というコメントも寄せられたが、すでに垣田真穂、内野艶和、池田瑞紀、今村駿介といったトラック競技ナショナルチームメンバーが、今年はヨーロッパの舞台をメインに数々のレースに参戦。すでに、LAに向けた強化施策はスタートしている。
4年後、8年後を見据え、種目の垣根を超えた、「チームJAPAN」一丸となっての選手強化に期待が高まる。
なお、ナショナルーチームのメンバーは、5月29日から伊豆ベロドロームで幕を開ける『ジャパントラックカップ』に多くの選手が参加するほか、8月には同じく伊豆で開催される『全日本選手権大会トラック』、そして10月に『世界選手権大会トラック(チリ・サンティアゴ)』に参加予定。