UCI(国際自転車競技連合)は2026年6月10日〜12日にフランスにて理事会を開催。
本記事では、そこで決定・発表がされたさまざまな事柄から、女子ロード競技のさらなる発展を目指す包括的な施策を紹介していく。
ワールドツアーは11カ国・28大会に拡大
2026年の女子ワールドツアーは、3大陸11カ国にわたる全28大会・計77日間の開催となる。大きな変更点は、前年まで女子プロツアーだった「ドワルス・ドール・フラーンデレン(Dwars door Vlaanderen – A travers la Flandre)」が女子ワールドツアーに昇格し、男子大会と同日開催されること。
なお、トップチームとライダーを招く新たな「スーパーリーグ」構想=「OneCyclingプロジェクト」は、「今後も国際化や経済的発展を目的として議論を継続する」としながらも、男女共にカレンダーに含めないことが決定されている。
2026年のスケジュールについては、別記事にて紹介する。
広がる金銭的な支援
上記の規模拡大とあわせて、制度面での刷新も行われる。
まず1つは、金銭面での補助について。
大会主催者から女子ワールドツアー参加チームへ送られる参加補助金を、20%増額する方針が承認された。
ステージレースにおいては、宿泊補助(部屋数)の増加も決定されている。
女子にも「プロチーム」が新設!
またリリースでは、2026年より女子にも「プロチーム」が新設され、男子と同様に全3つのディビジョンに変更となることが記されている。
この変更を踏まえ、UCI女子ワールドツアーおよびプロシリーズの出場ルールが見直された。詳細な規則改訂の内容は後日あらためて発表が予定されているが、競技構造の底上げと多様なチームの参入促進が期待される。
従来のチーム構造
男子 | 女子 | |
第1ディビジョン | ワールドチーム | ワールドチーム |
第2ディビジョン | プロチーム | コンチネンタルチーム |
第3ディビジョン | コンチネンタルチーム | – |
2026年以降のチーム構造
男子 | 女子 | |
第1ディビジョン | ワールドチーム | ワールドチーム |
第2ディビジョン | プロチーム | プロチーム |
第3ディビジョン | コンチネンタルチーム | コンチネンタルチーム |
なお、男女共にプロチームの“前年のランキング上位3チーム”を、グランドツアーを含むワールドツアー全ステージレースへ招待することが義務づけられた。
従来、プロチームの出場は主催者の裁量に依存する部分もあったが、この変更により競技のピラミッド構造がより明確化され、プロチーム間でのランキング争いも加熱することが期待される。