2010年から毎回参加している人も

これは大変だぞ・・・と思ったところで我々メディアをスタート地点やゴール地点に運んでくれるメディアカーのドライバーもボランティアだったので、その男性に話を聞いてみた。

「私はイギリスから来たんだよ。もちろんボランティアするためにね!2010年から欧州で世界選手権がある年は毎回ボランティアをしているよ。今回はこうやってメディアカーを運転しているけど、毎年行うことはさまざまさ。自転車が好きだから、こうやってボランティア活動をしながらレースを観れるのは最高だね!旅費、ホテル代は自分持ち。食事だけは大会本部から提供されているね。イギリスではレースにも出ているよ!」

このように語っていた。根っからの自転車好きでここにきてくれているということだ。

こういった人たちによって大会が支えられているのだ、ということを改めて認識させてくれる。

4カ国語を操る地元のスーパーボランティア

更に大会のリサーチ担当のジュリアさんに何をやっているか話を聞いてみると、次のように教えてくれた。

2018ロード世界選手権ボランティアのジュリアさん

リサーチボランティアのジュリアさん

「私はインスブルックから30分ほど離れた谷から来ています。日によって人数は変わりますが、1日に100人以上と話をして、いろいろと調査する日もありました。内容は簡単なアンケートです。男子エリートのスタート地点では地元の方が多いことに驚きましたね。ゴール付近では日本人の方もいましたよ。ちょっと英語が通じなくてコミュニケーションを取るのが大変でしたが・・・。日本の方はあまり英語が得意じゃないのですか?」

我々日本人の痛いところを突かれてしまった。ではジュリアさんが何カ国語を話せるのか聞いてみたところ、なんと答えは4カ国語(ドイツ語、イタリア語、フランス語、英語)だという。

「これまでツアリズムの勉強をしてきたので、このような大会に関わって自分のできることの可能性を探りたかったのでボランティアに応募しました」とのこと。ジュリアさんのリサーチチームは10人ほどだそうで、集めた情報を次のスポーツイベントの運営に役立てるという。

メディアカーを運転してくれた男性、そしてジュリアさん、目的はそれぞれ異なるもののボランティアがいなければ大会は成り立たないことが分かった。

今後もさまざまな大会で、レースだけではなく、その裏側もお届けしていく予定です。

Photo & Text : Mizuki Ida