プリモシュ・ログリッチ(スロベニア)

2018ツール・ド・フランス第19ステージ優勝のプリモシュ・ログリッチ

今年のツール・ド・フランス第19ステージで優勝したプリモシュ・ログリッチ

登坂力 ★★★☆☆
ダウンヒル ★★★★☆
独走力 ★★★★★
スプリント ★★★☆☆

かつてはTTスペシャリストとして注目されていた彼も、昨年のツール・ド・フランスでの山頂フィニッシュ勝利以来、クライマーとしても高い能力を認められつつある。さらには今年、ツール・ド・フランスで総合4位。揺るぎない世界チャンピオン候補である。

とはいえ、最後のグラマルトボーデンの登りで、他のライバルを圧倒するほどの登坂力は持ち合わせてはいないだろう。しかし、彼の武器はその後のダウンヒルのテクニックと積極性にある。今年のツール・ド・フランス第19ステージでも、下りの速さで勝利を掴んだ。他の優勝候補に集団が気を取られた一瞬の隙を突いて攻撃に成功すれば、あとは平坦で彼に追い付ける脚を持っている選手は一人もいない。

先の2人に比べればやや見劣りする優勝候補ではあるが、その鷹の如き野心に注目していきたい。

そのほかダークホースになり得る選手たち

これまでに挙げた3選手以外の優勝候補は、アラフィリップと似た脚質をもつスペインのアレハンドロ・バルベルデ。ブエルタ・ア・エスパーニャを制したイギリスのサイモン・イェーツ。直前のカナダ2連戦を制したオーストラリアのマイケル・マシューズ。彼らもサガン同様に最後の登りをこなすことさえできれば、優勝候補となりうるだろう。

上りも、下りも、平坦も、スプリントも・・・。全てにおいてバランスよく高い能力が求められる今回のコースを制し、見事新たな世界チャンピオンとなるのは誰か―。9月30日の夜には、絶対に見逃せない戦いが待っている。