いよいよ2018年の世界チャンピオンを決める戦い、ロードレース世界選手権が幕を開けた。

舞台となっているのはオーストリア西部のアルプスの山中に位置するインスブルック(チロル州)。今年は例年と比べても、遥かにクライマー向けの厳しいコースレイアウトとなっている。

今回はそのレイアウトの特徴を簡単に触れつつ、そこに最も適した優勝候補を3名、ピックアップしてみたいと思う。

激坂からの下りと平坦が勝負のポイント

2018世界選手権ロードコースレイアウト

引用:UCI

全長265km、総獲得標高4670mという非常に厳しいコースレイアウトは、スプリンターや並のパンチャーでは生き残ることがまず不可能なものとなっており、世界選手権で3連覇中のペテル・サガン(スロバキア)にとっても難しい戦いを強いられるものとなるだろう。

コース終盤のポイントは2カ所。

まずは、最終周回にのみ登場する『グラマルトボーデン』は登坂距離2.8km、平均勾配11.5%、最大勾配28%という“激坂”と呼ばれるレベルの上りである。サガンなどのパンチャー脚質で越えるには厳しいと予想される。

そして、ゴールは登り切ったところになく、山頂からゴール地点までおよそ5kmの下りと3kmの平坦路が存在する。激坂を単独で抜け出す登坂力だけでなく、そこからの下りでライバルたちを突き放し、なおかつ平坦で追い付かれないようにする独走力が重要になる。

やや長い激坂をこなす登坂力、下りでライバルに差をつけるダウンヒル能力、そして平坦で追い付かれないようにする独走力。あるいは追い付かれたとき、もしくは小集団での決着となった際に、そこで勝ち抜けるスプリント力。この4点を兼ね揃えた選手が優勝候補となりうるだろう。

それでは、この点を踏まえた上で、予想される優勝候補を紹介していこう。

3つのグランツールを制したあの男