他にもまだまだ有力候補が・・・

ここまでに紹介した3選手の他にも、今年のツール総合5位のステフェン・クライスヴァイク(オランダ/ロットNL・ユンボ)や昨年ブエルタ総合4位のウィルコ・ケルデルマン(オランダ/サンウェブ)、今年のジロで途中まで総合3位を守りつつ、最終日前日に体調を崩してリタイアとなったティボー・ピノ(フランス/グルパマFDJ)、不運に見舞われて2年続けてのツール途中リタイアとなったリッチー・ポート(オーストラリア/BMCレーシング)、2015年覇者ファビオ・アル(イタリア/UAE チーム・エミレーツ)、そして何より、2016年ブエルタ覇者でありながら不調が続いているナイロ・キンタナ(コロンビア/モビスター・チーム)といった総合優勝候補は数多くいる。

しかし、シーズン終盤であること、そしてニバリやポート、ピノが怪我や病気からの復帰明けであること、キンタナも不調が続いていることなど、さまざまな要因が絡み合っている。 “何が起こるか分からない”のがブエルタの特徴であり、かつ魅力でもある。グランツール総合優勝経験のない若手ライダーたちの台頭も十分考えられ、完璧に展開を予想するのは、ほぼ不可能だ。

だが、予想できない展開が生まれたときにこそ、自転車ロードレースの魅力が発揮させるといっても過言ではない。今年のジロ、ツールもまさにそんな展開の連続だった。 例年、ジロ・ツール以上に予想外の展開を生み出すブエルタ・ア・エスパーニャ。今年もまた、そんな“波乱の3週間”を全力で楽しむことにしよう。