第20ステージ:個人TTをデュムランが制す

トム・デュムラン

アルカンシェルジャージを身に纏い、勝利を誇るデュムラン Photo by Chris Graythen/Getty Images

今年のツール・ド・フランス総合成績争いの最終決戦の舞台は、フレンチバスク地方で行われたアップダウンの激しい31kmの個人タイムトライアル。

序盤ではマルク・ソレルやセーレンクラーウ・アナスン(デンマーク/チーム・サンウェブ)などの若手のオールラウンダーたちが、未来の可能性を感じさせる好走を見せた。また、総合争いでは苦しい日々を過ごしていたイルヌール・ザッカリンが、この日は上位に喰い込む記録を見せて、ナイロ・キンタナを破っての総合9位に浮上した。

ややクライマー向けとも言えるアップダウン激しいレイアウトは、山も登れるTTスペシャリストたち総合上位4名にとって最も得意とするタイプのコースだった。

過去、ツールの個人TTでも勝利経験のあるフルームは、ログリッチェに対して1分以上早いタイムでゴールして、再び総合3位に返り咲いた。この事で元スキージャンパーである28歳のログリッチェは、ツール挑戦2回目にして総合表彰台という快挙を目の前で取り逃すこととなった。

ステージ優勝者はトム・デュムラン。昨年の世界選手権個人TT金メダリストであり、その証でもある「アルカンシェルジャージ」を身に纏ったデュムランは、フルームをわずか1秒上回り、この日最高タイムを叩き出した。ジロ・デ・イタリアに次ぐ総合2位に終わったものの、やりきったような表情で表彰台に登った。

ゲラント・トーマスの総合優勝が確定

ゲラント・トーマス

総合優勝が確定したその瞬間、押さえつけていた感情を爆発させたトーマス Photo by Jean Catuffe/Getty Images

最終走者ゲラント・トーマスは第1計測でフルーム以上の記録を出すものの、その後はトラブルを避ける慎重な走りを見せた。人生初のマイヨ・ジョーヌを確定させた瞬間を全身で受け止めるゴールを迎えた。

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