南米エクアドルの光「リチャル・カラパス」
ミゲルアンヘル・ロペスと熾烈な新人賞争奪戦を繰り広げた、モビスター・チーム所属のリチャル・カラパス。
ジロ序盤のクライマックスとなる第8ステージ「モンテヴェルジネ」山頂フィニッシュ。
逃げ集団から単独で飛び出したクーン・ボウマン(チーム・ロットNLユンボ)を、残り2kmでカラパスが捕まえてそのまま引き千切った。ラスト1kmを独走したカラパスは、豪雨の中そのままフィニッシュ。
祖国エクアドルに初めてのグランツールのステージ優勝をもたらした。
パリ〜ニースでの活躍も
南米、コロンビアに隣接する小国エクアドル出身の25歳。エクアドル人としては初のグランツール出場で、当然ステージ優勝も特別賞ジャージの着用も初めてのことだ。
プロチーム唯一のエクアドル人である彼の活躍が、同国の自転車競技に大きな影響を及ぼすことになるだろう。
カラパスも兼ねてより才能は見出されていた。昨年はイタリアの「GPインダストリア&アルティジアナート」という山岳ワンデーレースでアダム・イェーツに次ぐ2位。そして今年は、3月のパリ~ニースでの活躍も目覚しかった。
総合優勝したチームメイトで同世代の若手成長株であるマルク・ソレルが、最難関ステージの残り2.5kmのところで集団から遅れかけていたところをカラパスが牽引し、集団に復帰させた。その後も集団から遅れそうになるソレルを助け続けたのだ。
パリ~ニースで重要なアシストの役割をしていた彼が、ジロでは自らが主役級の活躍をしたのだ。
ジロ終盤では、新人賞ジャージ獲得を優先するがゆえにトム・デュムランやティボー・ピノに協力しない姿勢を批判されてもいた。
確かに、やや見栄えの良くない走りをしていた部分はあったものの、一方では冷静かつ結果の為に必要な走りをしていたという見方もできる。
ロードレース界では重要な「立ち回り」もうまく身につけつつ、成長を遂げてくれることに期待だ。