特別措置の要点をおさらい

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3月28日、5件のツイートを投稿

3月1日にUCIによる特別措置の施行が発表されて以降、「Professinal Cycling Team(元Gazprom – RusVelo)」の公式Twitterアカウントは沈黙を守ってきた。それが破られたのは3月28日。同アカウントにて合計5件のツイートが投稿された。

全5件のツイートでは、UCIの決定によりUCIプロチームとしてのステータスが剥奪されたことから、中立的な立場での活動再開に向けた準備やUCIとの協議を行ったこと、今までチームを支援してきた「Gazprom Germania社」への感謝の意などが述べられ、そして新たなスポンサーを募集していることが順に経緯を説明するかたちで投稿された。

最初に投稿されたツイートから順番に、意訳とともにご紹介する。

「3月1日、UCIが我々チームのステータス剥奪を決定しました。2つの勝利を既に挙げ、素晴らしいスタートを切っていたこともあり、我々チーム全員にとって大変ショッキングなニュースでした。(UCIによる特別措置施行の後、)我々は、中立的なチームステータスのもと、ロゴを一切省いた中立的なジャージを着用して『トロフェオ・ライグエリア(大会名)』に出場する準備ができていました。しかしUCIは、我々の同大会への出場を認めませんでした」

トロフェオ・ライグエリア(Trofeo Laigueglia)は3月2日に開催されたワンデーレース

「3月3日、我々はUCIとミーティングを行い、新たなスポンサーを見つけ次第、レースに復帰できることを確認しました。

我々は2016年より絶え間ない支援を供給してくれたGazprom Germania社へ感謝します。我々チームの発展はまさにサクセスストーリーと呼べるものでした。各シーズンを通して、我々は多くの勝利を達成し、自転車界で高い認知度を獲得すすことができ、多くのライダーたちへプロ選手になる支援を行なってきました。

そして今回、さらなる活動へ動き出す時がやってきたのです」

「既に10年以上、我々チームはイタリアのロナート・デル・ガルダを拠点に活動してきました。そして今年、チームは異なる6カ国を出身とする全21人の選手で構成されました。

新たなスポンサーを募っている最中である現在の厳しい状況のなか、我々チームの選手たちは中立的な無地のジャージを着用し、トレーニングに継続して励んでいる一方、(ロシア・ベラルーシ以外の選手は)それぞれのナショナルチームとしてもレースに参加しています。

『ラルチャーノGP』ではアレッサンドロ・フェデーリ(イタリア)が2位でフィニッシュし、チェコで行われたレースではマティアス・ヴァチェク(チェコ)が優勝しました」

ラルチャーノGPとは3月27日に開催されたワンデーレース『ラン・プレミオ・インドゥストリア・エ・アルティジャナート』のこと

「スポーツと政治は混同されるべきではなく、むしろスポーツは異なる国同士が団結するためのプラットフォームであるべきだと、確信しています。

特に、自転車競技と私たちのチームは平和の意義を普及させることができる存在のはずです。私たちは世界中の平和のために立ち上がり、一切の戦争行為を容認しません」

「我々チームは今後も新たなタイトルスポンサーを募集します。新たなチームスポンサーとともに、新たなチーム名のもと、そしてチーム国籍となる国を決定することで、我々は直ちにレースへ復帰することが可能になります」

その他のチームは?

もし、ロゴ無し無地ジャージを着用した「Professional Cycling Team」によるレースへの復帰が可能となった場合、ステータス剥奪となったその他のチームに所属していた選手の活動再開も可能になるかもしれない。

なおトラック競技においては、ステータス剥奪を含む特別措置の対象となった全6チームのうち、「Marathon – Tula Cycling Team」がUCIトラックチームで唯一含まれていた。

ウクライナと世界の平和を祈るとともに、自転車競技界の今後の動向にも注目したい。

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