3月28日、5件のツイートを投稿
3月1日にUCIによる特別措置の施行が発表されて以降、「Professinal Cycling Team(元Gazprom – RusVelo)」の公式Twitterアカウントは沈黙を守ってきた。それが破られたのは3月28日。同アカウントにて合計5件のツイートが投稿された。
全5件のツイートでは、UCIの決定によりUCIプロチームとしてのステータスが剥奪されたことから、中立的な立場での活動再開に向けた準備やUCIとの協議を行ったこと、今までチームを支援してきた「Gazprom Germania社」への感謝の意などが述べられ、そして新たなスポンサーを募集していることが順に経緯を説明するかたちで投稿された。
最初に投稿されたツイートから順番に、意訳とともにご紹介する。
— Professional Cycling Team (@RusveloTeam) March 28, 2022
「3月1日、UCIが我々チームのステータス剥奪を決定しました。2つの勝利を既に挙げ、素晴らしいスタートを切っていたこともあり、我々チーム全員にとって大変ショッキングなニュースでした。(UCIによる特別措置施行の後、)我々は、中立的なチームステータスのもと、ロゴを一切省いた中立的なジャージを着用して『トロフェオ・ライグエリア(大会名)』に出場する準備ができていました。しかしUCIは、我々の同大会への出場を認めませんでした」
※トロフェオ・ライグエリア(Trofeo Laigueglia)は3月2日に開催されたワンデーレース
— Professional Cycling Team (@RusveloTeam) March 28, 2022
「3月3日、我々はUCIとミーティングを行い、新たなスポンサーを見つけ次第、レースに復帰できることを確認しました。
我々は2016年より絶え間ない支援を供給してくれたGazprom Germania社へ感謝します。我々チームの発展はまさにサクセスストーリーと呼べるものでした。各シーズンを通して、我々は多くの勝利を達成し、自転車界で高い認知度を獲得すすことができ、多くのライダーたちへプロ選手になる支援を行なってきました。
そして今回、さらなる活動へ動き出す時がやってきたのです」
— Professional Cycling Team (@RusveloTeam) March 28, 2022
「既に10年以上、我々チームはイタリアのロナート・デル・ガルダを拠点に活動してきました。そして今年、チームは異なる6カ国を出身とする全21人の選手で構成されました。
新たなスポンサーを募っている最中である現在の厳しい状況のなか、我々チームの選手たちは中立的な無地のジャージを着用し、トレーニングに継続して励んでいる一方、(ロシア・ベラルーシ以外の選手は)それぞれのナショナルチームとしてもレースに参加しています。
『ラルチャーノGP』ではアレッサンドロ・フェデーリ(イタリア)が2位でフィニッシュし、チェコで行われたレースではマティアス・ヴァチェク(チェコ)が優勝しました」
※ラルチャーノGPとは3月27日に開催されたワンデーレース『ラン・プレミオ・インドゥストリア・エ・アルティジャナート』のこと
We are certain that politics should be kept away from sport and sport should be a platform for unity of nations.
Cycling and our team, in particular, could be a messenger of peace. We stand for peace in the world and do not support any wars. pic.twitter.com/7PYVd3rLVC
— Professional Cycling Team (@RusveloTeam) March 28, 2022
「スポーツと政治は混同されるべきではなく、むしろスポーツは異なる国同士が団結するためのプラットフォームであるべきだと、確信しています。
特に、自転車競技と私たちのチームは平和の意義を普及させることができる存在のはずです。私たちは世界中の平和のために立ち上がり、一切の戦争行為を容認しません」
We will continue searching for a new title sponsor. Together with a new team partner we will be able to immediately come back to racing under a new name and together decide which country our international team will be representing. pic.twitter.com/K9jrimhD6P
— Professional Cycling Team (@RusveloTeam) March 28, 2022
「我々チームは今後も新たなタイトルスポンサーを募集します。新たなチームスポンサーとともに、新たなチーム名のもと、そしてチーム国籍となる国を決定することで、我々は直ちにレースへ復帰することが可能になります」
その他のチームは?
もし、ロゴ無し無地ジャージを着用した「Professional Cycling Team」によるレースへの復帰が可能となった場合、ステータス剥奪となったその他のチームに所属していた選手の活動再開も可能になるかもしれない。
なおトラック競技においては、ステータス剥奪を含む特別措置の対象となった全6チームのうち、「Marathon – Tula Cycling Team」がUCIトラックチームで唯一含まれていた。
ウクライナと世界の平和を祈るとともに、自転車競技界の今後の動向にも注目したい。