欧州のレースに多く参戦することで経験を積み、スキルの向上、人材発掘や世界選手権代表メンバーの育成に繋げることが目的のU23 春季欧州遠征。第1戦〜第3戦のレースレポート。3戦では佐藤健が3位で表彰台に上がった。
U23春季ヨーロッパ遠征目的
このU23春季欧州遠征は、U23強化指定1年目、2年目の選手を対象としている。欧州のレースにより多く参戦し、高い集団の密度のレースを経験させ、
- 集団内の位置取りやハンドリングスキルの向上
- 欧州レースに適した人材の発掘
- 将来のネーションズカップや世界選手権代表メンバーの育成に繋げる
今年は約4週間、8レースへの参戦を計画している。
落車しないことを課題に、第1戦 MALDEGEM-KLEIT
欧州遠征の初戦。選手は「落車しないこと」を最初の課題とした。
ナショナルチームの活動、欧州遠征、シーズン初戦となると、ほとんどの選手は気持ちを昂ぶらせてスタートに立っている。そこで「力みを取り除き、慣れさせること」が初戦の大きな役割だ。
中川拳のセンスが伺い知れた
スタート直後からアタックが繰り返された。スタート後10分で、大前を含む4名が集団を抜け出すが、1周で吸収される。次に2名が飛び出し、中川が追走。後続からも数名が合流し、7名の逃げが決まった。
後続のメイン集団は100名以上の大きな集団であったが、その中でも追撃の動きが常に起こり、スタート1時間後には集団が分裂、30名が7名を追う展開となる。大前はこの30名に含まれていたが遅れ、後続の集団に吸収され、佐藤、冨尾と共に完走する事ができなかった。
中川は順調に先頭集団で走っていたが、コーナーで落車しリタイヤ。
先頭集団は元プロフェッショナルコンチネンタルチーム選手2名、生涯勝利数300勝を超えるベテラン選手を含む「決定的なメンバー」であった。
メイン集団にも多くの有力な選手が残されていたが、ベルギー選手の情報を知らない中川が先頭集団の逃げに加わったのは、彼の脚力もさることながら、センスの良さもうかがい知ることができる。残念ながら落車してしまったが、残りの7レースの中で、最後まで逃げ切って欲しい。
大町健斗と花田聖誠は南仏で25日に行われたGP Ouverture-Montasruc(140km 出走約170名)に参戦。花田が最後尾集団ながら75位前後で完走。大町はリタイヤとなった。(橋川 健)
第1戦 MALDEGEM-KLEIT
2018年2月25日、4.3km×24周 104km、出走131名/完走35名
1位 MAES Jo DL
2位 CAETHOVEN Steven
3位 VAN CAUWENBERGHE Christophe
45位 佐藤 健(-6周)
DNF 中川 拳
DNF 冨尾 大地
DNF 大前 翔