7月5日(土)の開幕から日々熱戦が続く『ツール・ド・フランス』。その舞台裏で、“自転車盗難”の事件があったことが報じられた。

11台もの自転車が……第2ステージの朝発覚

被害にあったコフィディスのオフィシャルサイトによると、7月5日(土)から6日(日)にかけての間に、ワークショップトラックのドアがこじ開けられ、11台もの自転車が盗まれたとのこと。

盗難が発覚したのは、第2ステージが行われる7月6日(日)の朝。

▼盗難被害にあったことを告げるポスト

幸いにもトラックには他のバイクも積まれており、スタッフの懸命な対応により無事に第2ステージのスタートを切ることはできたものの、チームのマネージャーであるセドリック・ヴァスール氏は「一歩間違えば大惨事になりかねないものであり、強く非難します」とするコメントを発表。

その後、緊急で同じモデルの未塗装フレームを探し出しLOOKの従業員総出で対応、チームメカニックがライダーに合わせて迅速に調整し、7月8日(火)の第4ステージには初日と同様の状態でレースを走行可能、という状況を作り上げた。

さらに、バイクも無事に発見。

ヴァスール氏のコメントの通り、出走が叶わないという最悪の「大惨事」は免れたものの、関係各位の苦労、そして選手たちのストレスは計り知れないものであったことは想像に難くない。

初めてではない、ツールでの盗難事件

じつは『ツール・ド・フランス』での盗難事件は、これが初めてではない。

昨年も、第11ステージ終了後にトタルエネルジーのバイク11台が盗難被害にあっており、その被害総額はなんと15万ユーロにも登った。

トラックの世界選手権でも……

同様の事件は、トラック競技の舞台でも起こっている。2021年に(奇しくも)フランスで行われた『世界選手権トラック』にて、イタリア代表チームのバイク22台が盗まれるというトラブルが発生。

この時は事件発生から約1週間後に発見。また、事件発生翌日以降に使用予定だった自転車などは大会会場内に保管されていたため直接的な影響こそなかったが、More CADENCEでも当時の様子を伝えている。

世界王者イタリア代表チームの自転車が盗難被害/2021世界選手権トラック・フランス

盗まれた世界王者イタリア代表チームの自転車、ついに発見/2021世界選手権トラック

マジでダメ、絶対

なお上記の事件も、今回の件同様、ホテルに停めていたチームカーが未明にこじ開けられて盗まれた、というもの。

もちろん大会やチーム、そしてホテルとしてもセキュリティ対策は十分に講じているはずだが、技術の粋を集めた高級なバイクが集い、しかもその特性上“居場所”も特定できるゆえ、窃盗団にとっては狙いやすい状況ができてしまっているのかもしれない。

選手たち、そしてチームスタッフにとっての晴れ舞台に水を差すようなこれらの事件は、許し難い行為だ。
今後、同様の事件が再発しないことを切に願う。