新興スポーツが、なぜここまでメジャーに?
レッドブル・エアレースは2003年に始まり、日本では2015年に初開催。今年で日本の開催はわずか3度目と新興スポーツと言えます。にも関わらず、2017年は9万人の来場者を数え、急激に人気を集めているのです。
なぜここまで一気にメジャー化したのでしょうか。アメリカなど個人で飛行機を所有する文化がある国と異なり、日本人にとって飛行機はやや縁遠い存在。レッドブル・エアレース以外の飛行機レースってあるの?という位、飛行機レースに馴染みはありません。
大掛かりなプロモーション、派手な演出とお金パワーもあるのでしょうが、何より感じるのは“エンターテイメント”として高度に商品化されているという事。F1などのモータースポーツ同様、レースはガチ勝負。しかし運営側の「観客を喜ばせ、その喜びをお金に換える」という仕掛けがキッチリと働いていると感じます。
このエアレースが持つ魅力は何か?その中で、より観客が対価を払ってでも求める魅力とは何か?を的確に選別し、そこに値付けの差を行っています。例えばカメラマンエリアとして撮影がしやすい場所は別チケットとして10,000円〜22,000円で販売するなど商品展開を行っているのです。
大きなビジネスとして成立するからこそ、多くの企業が価値を見出し、お金が集まる。お金が集まるから、優秀な人も集まり、その人達が更に盛り上げる為に力を出し合う。そうやって好循環が生まれる事で、アスリートにも利益が還元され、スポーツの質も高まり・・・と、より良いサイクルが生まれていくのです。
さてトラック競技・・・やっと自転車の話題になりますが、トラック競技も急激に人気スポーツと成長するポテンシャルを持っています。特に日本は夏の間、世界のトップ選手が競輪のために集うなど極上の素材が揃っています。あとはその料理のやり方一つのはず。さあ、その料理レシピは何だろうか?
Photo & Text : Shutaro Mochizuki