2023年1月、『SIX DAY BERLIN 2023』が開催される。
この記事では、3年ぶりに開催される本大会の概要や、そもそもどんな大会なのかご紹介していく。
どんな大会なの?
「SIX DAY」の1番の特徴は、その独自性にあるだろう。
会場を真っ暗にし、選手たちに大きなスポットライトを当てたり、レース中にもノリノリな音楽を大音量で流したり、出場選手たちが大会特別デザインのジャージを着用したり。
その他、普段は選手の控え場所になっているバンクの中央部に観客席を設けたり、そこで料理やお酒を振る舞ったりと、他の大会にはない独自の「演出」が特徴的だ。
2017年・2018年に伊豆ベロドロームで開催された「トラックパーティー」に参加された方はイメージしやすいだろう。
なぜ「SIX DAY」?
そもそもなぜ「SIX DAY」という大会名なのだろうか。
この名前は、1890年代に盛んに行われていた「Sixdayレース」が由来となっている。その名の通り、1人の選手が6日間に渡りトラックを走り続け、その走行距離を競う超過酷な耐久レースだ。
そして「Sixdayレース」の開催地となっていたのは、アメリカ・ニューヨークにある「マディソン・スクエア・ガーデン」。
6日間も走り続ける……その身体的・精神的危険性から「1日12時間以上自転車に乗り、競技してはならない」という法律の施行まで招き、Sixdayレースは開催を継続していくために、止むを得ず6日間のレースを「2人1組で交代しながら」行うこととなった。
これがトラック競技オリンピック種目にもなっている「マディソン」の始まりとされている。
形を変えながら、100回以上も開催
イギリスメディアのCylistによると、20世紀後半には30以上のSIX DAYレースが世界各地で開催されていた年もあったそうだ。しかしそんな大会も2010年代には、数カ所の都市のみで開催されていくようになっていく。
そして現代のSIX DAYは「6日間競走」という側面よりも、派手な演出とそのレースの独自性がトレードマークとなり、今回の『SIX DAY BELRIN 2023』のように3日間で行われる大会も現れてきた。
形を変えながらも、多くの自転車・トラック競技ファンに愛されてきた「SIX DAY」は、もとを辿ればとても歴史のある大会。そして今大会は記念すべき、第110回目の開催となるそうだ。
参照:Cyclist「Between tradition and future: The state of Six Day Racing」