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世界を目指す土壌として
日本の今井は、目標とした完走には届かず。1周目のトップ選手のラップタイムから+80%以内のタイムで1周を回りきらないとタイムアウトとなってしまう「80%ルール」によって、2周目でレースを降ろされた。
世界的にも見ても難易度が高いといえる、この伊豆MTBコース。激闘を終えてみると、男女共通して「体格がしっかりしていて高いパワーが出せるタイプ」よりも「体の小さい軽量級の選手」たちが活躍する傾向が見えた(小さくても圧倒的パワーはあるのだが……)。
東京オリンピックまでは、全選手の公平性を担保するため、このコースは基本的に走れない、立ち入りのできないコースとなっていた。オリンピック終了後、今後の活用方法に期待したいところだ。急激な上り下り、岩場などのテクニカルなセクション、あらゆるポイントでフィジカルとテクニックの両方が求められるこのコースの存在は、日本が世界で通用するためのテクニックやスキルを磨く助けになるはずだ。
また男女共に、この東京オリンピックの映像から学べることがあまりにもたくさんあるように思える。
日本のMTBレースで、ここまで難易度の高いコースはかつてなかった。このコースが東京オリンピックレガシーとして、未来の日本のMTBライダーを育て、日本人がまた世界を目指す土壌として活用されていくことを期待したい。
東京オリンピック 女子MTB リザルト
1位 | ヨランダ・ネフ | スイス | 1時間15分46秒 |
2位 | シーナ・フライ | スイス | +1分11秒 |
3位 | リンダ・インデルガンド | スイス | +1分19秒 |
4位 | カタブランカ・ヴァス | ハンガリー | +2分9秒 |
5位 | アンネ・テルプストラ | オランダ | +2分35秒 |
6位 | ロアナ・ルコント | フランス | +2分57秒 |
7位 | イーヴィー・リッチャーズ | イギリス | +3分23秒 |
8位 | ヤナ・ベロモイナ | ウクライナ | +3分54秒 |
9位 | ヘイリー・バッテン | アメリカ | +4分32秒 |
10位 | ポリーヌ・フェラン=プレヴォ | フランス | +4分32秒 |
37位 | 今井美穂 | 日本 | -3LAP |
Text : 滝沢佳奈子(サイクルスポーツ)
7月28日(水)は再びロードレースの選手たちが走る、個人タイムトライアル(男女)が開催される。日本からは女子代表として與那嶺恵理が出場する。沿道での観戦については控えるよう要請が出ているため、インターネットでの生配信などで応援していただきたい。