自転車トラック競技とは
会場となるのは周長250mのすり鉢状板張りトラック。
最大傾斜角度45度にもなるコーナーの様子は、まるで「壁」。
駆け抜けるのは極限まで鍛えた肉体を持つ選手たちと、その相棒となるカーボン製の専用自転車(ピストバイク)。
ブレーキも変速機もないこの自転車は、空気抵抗を減らすための様々な工夫が施された「最新技術の結晶」。
この舞台で繰り広げられるレースでは瞬間最高時速80kmを超えることも!
オリンピックの種目としては短距離・中距離合わせて6種目を採用。
スピード、テクニック、持久力、レース戦略……さまざまな見どころがある種目があなたを待っている。
KEIRIN
オリンピック種目
トラック6周で競う、最大7人のレース。 スタートから3周までは先導するペーサーが選手たちの風よけになり、残り3周まで集団のスピードをあげる。 ペーサーが退避すると、残り3周のスプリント勝負!脚力はもちろんだが、選手たちの駆け引きを制し、1番にフィニッシュラインを通過した選手が勝者となる。
SPRINT
オリンピック種目
予選は「ハロン」と呼ばれる助走つきの200m タイムトライアル。予選結果でトーナメント組み分けが決まる。 トーナメントでは1対1で対戦。トラック3周を先着した選手が勝者となる。勝ち上がりが進むと3回戦方式となり、先に2 勝した選手が勝ち。 1日に何回も出走する過酷な種目でもある。
TEAM SPRINT
オリンピック種目
3人でチームを組み、トラック3周のタイムを競う。3人横一列で同時にスタートし、1周通過ごとに先頭を走る1人が離脱。 予選のタイムトライアルを上位で通過したチームが勝ち上がり戦に進出。 勝ち上がり戦(通常は1回戦→メダル決定戦)は対戦形式となり、先着したチームが勝者となる。
MADISON
オリンピック種目
ルールはポイントレースと同じ、10周ごとに設けられたポイント周回を4位までに通過、またはラップ(メイ ン集団を1周追い抜き)でポイントゲット。合計獲得ポイントで勝敗が決まる。 ポイントレースと異なる点は「2人1組で行われる種目」ということ。チームによって選手の特性・組み合わせも様々だ。
TEAM PURSUIT
オリンピック種目
4人1組のチームで4kmを走る、3番目の選手がゴールしたタイムを競う。空気抵抗を減らすため一直線の陳列で先頭交代しながら進む。 タイムトライアルの予選後は、2チームごとに先着を競う対戦方式となる。 対戦方式では’’追い抜き’’(他チームを追い越す)しても勝者となるため、「団体追い抜き」とも呼ばれる。
SCRATCH RACE
男子は15km、女子は10km、(2025年以降、男女10kmに統一)で実施される中距離種目。 「トラックで行われるロードレース」とも言われ、「1着でフィニッシュした人が勝ち」のシンプルなルールだ。 出場選手の脚力と駆け引きにより様々なレース展開となる。
TEMPO RACE
スタートはローリングスタート(集団がまとまるために行われる1周の競技外周回)。最初の5周が終わると、すべての周回で1位通過者にポイントが与えられ、その合計点の多い選手が優勝となる。1周先行してもう一度集団に追いつく(1ラップする)ことができれば、その選手に20ポイントが加算される。逆に集団から遅れて1周追いつかれてしまった選手は-20ポイントだ。
ELIMINATION
2周ごとに最後尾の選手が1人除外(エリミネート)されるサバイバルレース。「最後まで生き残った選手が勝者」となる、シンプルで分かりやすい種目だ。 残り2人になると、短距離選手スプリントのような1対1の駆け引きが見られることもある。
POINTS RACE
男子は40km、女子は25kmで行われる種目。 10周回ごとに1位〜4位に対して5点、3点、2点、1点のポイントが与えられる。 フィニッシュ着順では2倍のポイントを、レース中に集団に1周差をつければ20点を獲得できるので、一発逆転のチャンスも。 最終的に合計ポイントを最も多く獲得した選手の勝利となる。
1kmTT (500mTT)
女子は500m、男子は1kmを計測するタイム測定種目(2025年以降、男女1kmに統一)。 より良いタイムを求めて自分の限界と戦う。 エントリー選手数によっては予選・決勝の2回出走することもある。