2021 NATIONS CUP OMNIUM

  • 2
2021 NATIONS CUP OMNIUM
2021 NATIONS CUP OMNIUM

2021年5月16日(日)香港で行われた『TISSOT UCIネーションズカップ』第2戦の最終日、男子オムニアムで橋本英也が魅せた。接戦ながらも見事に金メダルを獲得し、東京オリンピックに向けて弾みを付ける結果となった。男子オムニアムでワールドカップ、ネーションズカップを通じて金メダル獲得は史上初となる。

男子オムニアム

男子オムニアム

スクラッチ

時おり集団から抜け出して先行する選手が現れるが、集団に追いつかれては再び抜け出しといった形で、展開がないまま残り5周回へと入る。最終スプリント勝負に向けてスピードが徐々に高まる中、残り2周で橋本が先頭へと出る。しかし、最後の1周を前にこの種目の現世界王者カラリオク(ベラルーシ)が前に出ると後続に進路を塞がれる形で橋本が抜け出せない。橋本は、周りに囲まれてしまい前に出るタイミングが遅れ、最後は2着でフィニッシュとなった。1着はカラリオク(ベラルーシ)。

テンポレース

残り23周で橋本がアタックすると、そのまま一周追い抜きをせずに後続集団を半周ほど離して膠着状態となる。周回が重なるにつれて、ポイントを量産していく橋本。ポイントが獲得可能な36周回のうち、23周回を橋本がポイントを得る荒稼ぎで1位となった。2位はラインハルト(ドイツ)。

エリミネーション

男子オムニアム01

テンポレースで2位となったラインハルトが序盤に外されるレース。残り3人では橋本、カラリオク、マルムバーグ(デンマーク)。3人のスプリントでは、まずカラリオクが最後尾となり、橋本とマルムバーグの一騎打ちとなる。順調に残り2人の勝負まで残った橋本だったが、マルムバーグとの最後の競り合いを制することが出来ずに2位となった。

ポイントレース

男子オムニアム02

レーススタート前の暫定順位は

1位:橋本(116ポイント) 2位:マルムバーグ(110ポイント) 3位:カラリオク(108ポイント) 4位:マルトレール アガ(スペイン:104ポイント)

レースは最初のポイント周回では2着、次は1着、3回目は2着と、橋本が積極的にポイントを獲得していく。同じく暫定3位でスタートしたカラリオクも1着、4着、1着と橋本を追う展開。着実にポイントを重ねていきたい橋本だったが、4回目のポイント周回を前にアクシデントが発生。

バンクの中段を走っていた橋本だったが、内側の選手に押されるような形でバランスを崩し、前方の選手のタイヤに引っ掛かり落車してしまう。落車後にすぐに復帰した橋本だったが、落車の影響のせいか5回目のポイント周回では着に入れず、一方でカラリオクが3着2ポイントを獲得し、いよいよその差は1ポイントとなる。

男子オムニアム03

落車の影響もあったのか、一度は同ポイントまで追いつかれた橋本だが、終盤となった残り20周のポイント周回、橋本がカラリオクの前で先着し3着2ポイントを獲得。対するカラリオクは4着1ポイント。再度橋本が1ポイント差を付けて暫定首位となる。

男子オムニアム04

残るポイント周回はあと2回。

ここから橋本はカラリオクを徹底マークし逃さず、9回目、残り10周となるポイント周回でも3着、カラリオクが4着でリードを2に伸ばす。最後もカラリオクより先着し、更に4ポイントを得て、獲得ポイントの合計を138とし、落車を乗り越え見事にリードを守り、男子オムニアム日本人史上初のネーションズカップ(旧称ワールドカップ含め)金メダル獲得を果たした。

男子オムニアム05

橋本はレース後「ポイントレースでは一度積極的な動きが出来ましたが、それ以外で保守的な走りをしてしまった部分もあるので、その辺りを直していかなければいけないと思いました」とコメントした。

女子オムニアム

2021年5月15日(土)香港で行われた『TISSOT UCIネーションズカップ』第2戦の3日目、女子オムニアムで梶原悠未が優勝。女子オムニアムには5カ国から6人、日本からは現世界チャンピオンの梶原悠未と、チーム楽天Kドリームスの鈴木奈央が出走した。

スクラッチ

6人の選手が出走。残り5周まで全く動きが無いまま、1つの集団でゆっくりと進む。残り2周、イボンヌ・ステンバーグ(ノルウェー)が単独で飛び出し、ベレナ・エベルハルト(オーストリア)と梶原も若干遅れて続く。最終周回、ステンバーグがリードを保ったまま先頭でフィニッシュ。若干の間があって梶原を先頭にした集団がフィニッシュ。梶原が2着、鈴木が3着となった。

テンポレース

エベルハルトと梶原がポイントを分け合いながらレースが進む。残り14周で梶原が単独で集団から抜け出し、1/4周程度のリード。そのまま梶原は1周追い抜きを狙いハイペースで進む。一方集団は終盤へ体力を温存するかの如く、ローテーションを回しながらペースを維持したまま進む。残り3周で梶原は集団の1周追い抜きに成功。計32ポイントで大差の勝利を果たした。

エリミネーション

2回目の除外周回で鈴木奈央が外される。梶原は前方の位置をキープし続け、ステンバーグと一騎打ちまで難なく残る。ステンバーグが梶原の隙きをついてスプリントを始めるが、梶原はこれを逃さず、あっという間に距離を縮めると、そのまま梶原が1着でフィニッシュ。テンポレースに続きエリミネーションも勝利。暫定1位で最終種目へと進んだ。

ポイントレース

序盤から中盤まで全てポイント周回を1着で通過していく梶原。レースが終盤を迎える頃、梶原と2位のステンバーグは点差が10ポイント。梶原はステンバーグの真後ろにつけ、いつでも仕留められる状態で警戒を続ける。その後、梶原とステンバーグはポイントを加算することは出来ず、順位変動も無し。梶原は初のアルカンシェルを纏う国際大会で、ジャージの色にふさわしいメダルを手にした。

一方の最終周回、鈴木奈央がアタックし1着でフィニッシュ。10ポイントを加算し、最終成績を4位で終えた。

この種目の世界チャンピオンである梶原は「勝つ事が出来てホッとしたが、レース全体を振り返った時に”完璧なレース”に対しては反省点がある」と、東京オリンピックでの金メダル獲得へ決意を新たにした。

ネーションズカップの最新記事

一部代表選手について本人の申し出により、
掲載しておりません。