木製とコンクリート製

4/4 Page

施設内の設備

最後に、ベロドロームと競輪場の細かい相違点をそれぞれの使用目的の違いから、まとめてご紹介する。

トラック競技を開催するのに最適化した競技場が「ベロドローム」。

トラック競技には複数の種目がある。開催時にはそれらの種目を円滑に行うことが求められるため、レース直前まで選手達がウォーミングアップをする場所や着替えを行う場所が、バンクの内側に設営されており、レースを邪魔せずにバンクの内外を行き来するためのトンネルなども付いている。

またトラック競技の来場客の大きな目的は「観戦」であるため、バンクと観客席は非常に近く、間には手すりがあるのみだ。

参考:UCI規定 TRACK CYCLING CHAPTER 3(P. 121, 3 – 器具・設備)

一方、公営競技として「公平性」が重視される競輪。レース前日の「前検」を行う部屋や、当日まで選手達が滞在する宿舎など、競輪場には公平な開催を可能にするための設備が整っている。外部からの立ち入りを禁止するための、バンクを覆うフェンスなどもその1つだ。

さらに、より多くの来場客が車券を購入しレース観戦ができるよう、複数の車券売り場やモニター室、売店なども設けられている。

以上、本記事ではベロドロームと競輪場の違いをご紹介してきた。テレビなどで観戦する際や現地で応援する際は、ぜひ会場の特徴にも注目してトラック競技と競輪の両方をより楽しんでほしい。