1月10日〜29日の日程で行われた、トラックナショナルチームの沖縄キャンプ。連日ハードな練習を重ね、更なる強さを求めるナショナルチームの中に1人、競輪用クロモリフレーム自転車で練習する男がいた。
自称ナショナルCチーム所属!KEIRINグランプリ2019の覇者、佐藤慎太郎だ。
※ナショナルチームはA(ポディウム)、B(アカデミー)が実在。Cチームは架空ですが、意味を知りたい方はMore CADENCE the MOIVE 3をご覧下さい
この合宿へ参加した選手・コーチ・スタッフは全員が出発前にPCR検査での陰性を確認し、更に合宿期間中も週に1度のPCR検査と徹底した感染症対策が行われている。
連日ナショナルチームのメンバーと一緒にトレーニングする佐藤は、トレーニング強度の高さに驚き、そして東京オリンピック代表に内定している脇本雄太や新田祐大の出力の高さに悲鳴を上げていた。
・・・ん?
よく考えれば、前述した2人は強いものの、2019年のKEIRINグランプリの覇者は同レベルの肉体的強さを持っているはず。しかし佐藤は練習毎に「やつらは凄い」と漏らしている。
一体どういうことなのか?何故そんなに凄い選手たちがKEIRINグランプリで勝てないのか?疑問に思った筆者はすかさず質問してしまった。
教えて慎太郎先生!
Q:慎太郎先生!質問があります!この合宿での練習は、慎太郎先生の普段の練習とどう違うのでしょうか?
インターバルが短く、出力が高いですね。ワッキー(脇本)の後ろに付いたのですが、ワッキーが踏み上げると、付いていくだけで精一杯。それくらい出力が違います。圧倒的パワーです。
Q:慎太郎先生!KEIRINグランプリの取材の際にも「ついて行くだけで精一杯」のようなコメントはよく聞かれました。それなのにナショナルチームの選手たちは、KEIRINグランプリで勝っていません。これはどう説明したら良いのでしょうか?
良い質問です!
あくまで個人的な見解ですが、競輪独特の「ライン」の存在の他にも、9車でレースを行っている点も大きいかと思います。これが7車でのレースなら、ナショナルチームの独壇場でしょう。どれだけ力があっても、1番後ろの9番手からは捲るのは、流石に難しいので。
Q:それは距離の問題でしょうか?
距離もありますし、波もあります。
Q:波・・・とは?
牽制のことですね。9番手から先頭に上がろうとして、前を走る選手全員に牽制されたら、いくら脇本でもキツいと思います。
ただし脇本の場合は、皆が牽制出来ないタイミングから長い距離を走れてしまう。これが彼の強さですね。