教えて佐藤慎太郎先生!

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強さ故の弊害

国内の競輪を走る時の脇本は先行に拘っているところが格好良いのですが、グランプリに関してはちょっと仕掛けが早かったと思います。他に先行する選手がいないレースだったということもありますが、もう少し溜めて、最終周回前の4コーナーを目掛けていれば・・・脇本が優勝していた可能性も十分ありました。

Q:慎太郎先生と同地区の新田祐大選手は、7番手から仕掛けることが多いです。ラインの先頭にいるので必然的に9番手にはならない。だからこそ1着圏内、ということでしょうか?

そうですね。3車のラインの先頭なら、一番後ろになっても7番手ですから。新田の力でも、9番手からはキツいと思います。ましてや脇本のような選手が前にいたら・・・

新田が9番手だと届きませんし、逆に新田が先行すれば、脇本でも9番手からは届かないでしょう。

そして他の自力選手は、この2人をかなり警戒してきます。2人のどちらかが仕掛けると、周りが牽制したり、合わせて踏み込んでいく・・・といったことが起こります。分かり易く言えば「邪魔」をすることですね。

そこが競輪の難しいところです。 強い選手が必ず勝つわけではありません。「強い選手をラインの力で倒すのか」が競輪の醍醐味という人もいますし「強い人が勝たないと新しいお客さんが入ってこない」という意見もあります。 選手としては全力でやるしかないですが・・・僕みたいな追い込み選手はラインの恩恵を受けていますから、感謝しているとは言わせてもらいます(笑)

これが新しい250競輪になったらナショナルチーム、歴代のナショナルメンバーたちの独壇場になるでしょうね。

・・・もちろん、ここまで話したことが正しいかはわかりませんよ!追い込み屋の目線からの個人的な意見です(笑)

と、ナショナルチームのメンバーたちが日本の競輪において立たされている状況を独自の目線で解説してくれた佐藤慎太郎先生。ナショナルチームのメンバーは間違いなく強い。しかし強いが故に警戒され、包囲網を敷かれてしまい、勝てなくなる。その包囲網ごと突破して圧倒的な力を手に入れるべく、沖縄の地で合宿に勤しんだナショナルチームのメンバーたちでした(そして佐藤慎太郎先生)。

今後の成長は如何に?