競輪の新たな未来を切り開く場として期待

年明けには解体工事が開始され、2020年秋のオープンを目指す。250mバンクとなった暁には既存の競輪やエボリューションとも異なる、国際ルールにより近い形での競輪開催も検討されているという。

都心からのアクセス良好な立地に、世界選手権やワールドカップなどの国際大会が開催可能な競技施設が作られることは、日本における自転車競技の普及にも一助となる事が期待される。

ワールドカップ銅メダル中村妃智選手のホーム

中村妃智選手

ワールドカップ銅メダル中村妃智選手

千葉競輪場では2017-18トラックワールドカップ2戦、4戦の女子団体追い抜きで銅メダルを獲得した中村妃智選手の職場でもある。この日も中村選手はバンク内観戦のアテンドを行っていた。昼には屋台で焼酎を売っていたという。なんという身近さ。

女子団体追い抜き、今年2度目の銅メダル/2017-18トラックワールドカップ4戦

千葉競輪場は地域住民や自転車競技愛好家への敷居が低い競輪場というイメージがある。初回無料、事前予約無しで千葉競輪場のバンクを使用した練習会「千葉サイクルクラブ」を開催するなどし、自転車競技者人口の拡大へ力を注いでおり、競輪ファン以外からも愛されるバンクだ。

しかし68年が経過した施設は老朽化が進んでいる。メインスタンドなど一部施設は途中で改修が行われたため近代化されているが、場内の随所では昭和の雰囲気が沢山残されている。また、売上の低迷から経費削減のため、観戦スタンドも4コーナー付近へ限定され、1コーナー側などは立ち入り禁止となっていた。

68年の役目を終えた千葉競輪場は、最後のレースにふさわしい、澄んだ冬晴れの空と共に静かに幕を閉じた。3年後、生まれ変わった千葉競輪場は再び我々に多くの感動と興奮をもたらす場となってくれる事だろう。また、多くの自転車愛が集う場として復活する日を楽しみ待とう。

Photo & Text : Shutaro Mochizuki