決勝、アジア頂点決定にふさわしいメンバー
決勝メンバーは
新田祐大(JPCU福島)
脇本雄太(JPCU福井)
アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
ジャイ・アングスタサウイット(タイ)
ムハマド・シャローム(マレーシア)
カン・シンフェン(台湾)
レース巧者のマレーシアの2人に加え、タイのジャイは2018アジア大会の優勝者。アジア王者を決めるにふさわしい強者が揃った。
並びは「新田→ジャイ→アワン→脇本→シャローム→カン」の順。
残り3周で誘導が離脱する手前で、5番手のシャロームが5番手からペースアップ。そのまま先頭へ。
2番手となった新田は、シャロームとの車間をあけながら後続に視線を送り、後方からの動きを警戒する。
残り3周。次の1手を打ったのはマレーシアのアワンであった。しかし、すぐさまアワンのすぐ後ろにいた脇本が反応。脇本はアワンの加速を上回るスピードで外側から前の選手を抜き去ると、そのまま先頭に立つ。
これで主導権を握った脇本。ロングスプリントを武器とする脇本の得意な展開に自ら持ち込み、逃げ切り体制へ。
残り1周。脇本の後ろにはアワン。そして、4番手まで位置を下げた新田が一気に加速。逃げる脇本をめがけて徐々にその差を縮めていく。
しかし脇本のスピードは落ちることなく、先頭でそのままフィニッシュラインを通過。
この瞬間に脇本のアジア選手権2連覇、自身4回目の優勝が決定した。2位にはマレーシアのアワン。そして最後に追い上げた新田が3位に入った。
レース後、出迎えるスタッフたちに控えめの笑顔で答える脇本。「嬉しさはなかったですね。勝って当然だっていう気持ちが強かったので、今は正直、ホッとしています」
ワールドカップで金メダルを獲得し、世界でも一目置かれる存在に成長してきた脇本は常に挑戦しつづけてきることで進化を遂げてきた。勝って当然と思われるアジアでの戦いは、脇本にとって大きなプレッシャーでもあったが、それを乗り越えて得た勝利となった。
3位の新田は個人で結果を出せなかった悔しさを抱きつつ、日本チーム全体としての収穫を感じていた。
「今回、僕たちの目的は世界選手権の枠取りということで、絶対に勝つことを前提として戦いに挑んだので、僕は勝てなかったですが、日本としてはまずは良かった」
史上最強の短距離チームへと進化を遂げた日本だが、目指すのはあくまでオリンピックの金メダル。その一点を見つめ、勝負のシーズン初戦を好成績で終えた。
男子エリート ケイリン結果
優勝:脇本雄太(JPCU福井)
2位:アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
3位:新田祐大(JPCU福島)
7位:河端朋之(JPCU岡山)