予選を1位で通過
迎えた『アジア選手権トラック2020』では、出場チーム全9チームで予選タイムトライアルを行い、上位2チームが決勝へ駒を進める。
日本の予選タイムは44秒041、予選1位で通過。2位は前回大会で日本と激戦を繰り広げた中国の44秒643。全体的にタイムが伸び悩む中、決勝では再び中国とアジア王者の座をかけて戦うこととなった。
決勝、通過点
世界上位を目指す日本にとって狙うは場所は唯一つ、表彰台の頂上。そして43秒台。
決勝は対戦方式となり、ホームから日本、バックからは中国が出走。
カウントダウンが始まり会場は一気に緊張感に包まれる。
スタートの合図とともに両チーム3人が同時に飛び出し、隊列を整えて一気にトップスピードへ加速していく。
日本の第1走は、雨谷一樹。長年日本のチームスプリント第1走の第一人者として地位を築いてきた雨谷のタイムは17秒982。一方、中国の第1走は17秒604のタイムを刻み、日本は0.3秒遅れをとった。
わずかにリードを奪われる形で第2走の新田がバトンを受け取る。2走目のタイムは日本：30秒614、中国：30秒795。新田の好走で逆転に成功した日本。新田は最終走者の深谷への大きな掛け声と共に勝負を託す。
明らかに中国とのスピードの違いを感じさせる走りで差を広げた深谷。中国より先にフィニッシュラインを通過した日本は、43秒653で優勝し、大会2連覇を達成した。
レース後、力を出しきり戻ってくる3人。前回の優勝時とは異なり、喜びを爆発させるような姿は見られなかった。それは、この優勝が日本にとって単なる通過点であることを意味しているのだろう。
新田は「僕たち自身が進化を感じて走ることが、世界選やオリンピックの舞台でも自信をもって戦うきっかけになると思うので、希望をもって進化を続けていきたいです」とコメントした。
この数年で着実に進化を遂げてきた日本代表。その潜在能力をさらに引き出し、これから始まるワールドカップシーズンで戦っていく。
男子エリート チームスプリント決勝結果
優勝 日本 43秒653
2位 中国 44秒177
3位 韓国 44秒920
日本ナショナルチームメンバー
第1走 雨谷一樹（JPCU栃木）
第2走 新田祐大（JPCU福島）
第3走 深谷知広（JPCU愛知）
1日に2度の大会記録更新、ドリームシーカー（雨谷一樹/新田祐大/深谷知広）チームスプリント全日本タイトル獲得／2019全日本トラック・男子エリート チームスプリント
