まだまだ未解明

陸上競技のトラックと同様に自転車トラック競技も反時計回り。よく考えれば競馬も、自動車レースもだ。しかし、これらの競技が反時計回りである理由は未だ解明されていない。結局は”ルールにそう書いてあるから”で収まるが、それでは確かな答えにはならない。

ということでUCIがこの疑問に関して記事を挙げていたので、反時計回りの謎を解明していこうではないか!

参考記事…「UCI A question of direction -Why counter Clockwise?-

理由:1 世界的に右利きが多いから

Matthew Glatzer

ある統計によると世界の人口の内90%が右利きと言われている。

例えば、陸上のトラックを走る際は左に傾きながら走る。右利きの人の多くは踏み切り足である左足を踏み込んで走るため、反時計回りの方が左足を踏み込み易く、走り易いという考えからトラックが反時計回りになったとも言われている。

また、古代ローマ時代に行われていた戦車競走でも反時計回りに走っていた。「左手で防御と馬を操りながら右手で剣を持ち、コースの外側(右側)を走る相手に攻撃」していた名残から、近代スポーツを形成した西洋の人々は反時計回りに決めたという説もある。

もしこれらが本当の理由だとすれば、とんでもない右利きに対して優遇されていることになるが、自転車上の動作は左右対象の動きをするため、この説が関係しているとは・・・思えない。

理由:2 生理学的理由

男子1kmTT決勝 / インターハイ2019

人間の血液循環の流れによる生理学的な理由という説もある。理論上では、運動中(呼吸運動時)に大静脈が二酸化炭素を含む血液を運ぶ際、その血液は心臓内のポンプを通じて左から右へと流れる。反時計回りでの運動の場合、遠心力がこの心臓ポンプの働きを助ける事で血液の循環に役立っていると言えるだろう。

この理論に基づくと、もしバンクが時計回りとなった場合は遠心力が心臓ポンプの動きを妨げるため、理論上だとパフォーマンスが下がる事になるわけだ。

では、実際に時計回り/反時計回りのどちらが有利かを実証した例はあるのかというと・・・残念ながら、今のところはない。
また、主にトラック競技が行われる250mという周長では遠心力のかかる時間が短すぎてこの理論が本当に確かなのかもわからないだろう。

理由3:文字の読み方