理由:3 文字の読み方

UECトラックヨーロッパ選手権2018・女子チームパシュート

日本語だけでなく、英語や欧州諸国の言語のほとんどは左から右読みである(中には右から左読みも存在するが)。観戦者にとって、文字を読むのと同様に選手が左から右へと流れてくる方が慣れ親しんでいるという理由から、反時計回りになったという説もある。

この理由で反時計回りになったと説明するのは少し無理がありますね・・・・・。

理由:4 地球の自転が関係している!?

トラックパーティー2018男子チームスプリント

地球の自転により、コリオリ効果が影響しているという説もある。

コリオリ効果とは…回転体上を運動する物体に働く慣性の力のこと。回転軸と物体の速度の向きの両方に働き、物体の速度の向きを変える。台風の進路が地球の自転によって曲がるのはこのため。 参考:コトバンク

例えば、北半球の台風の動きが反時計回りなのに対して南半球が時計回りなのも、このコリオリ効果が働いているためである。コリオリ効果は物体の運動の進行方向に対して働くものであり、欧州(北半球)発祥の自転車トラック競技が左回りなのも納得できる。

しかし、この理論だと南半球のバンクはタイムが出にくい事になってしまう。一見、地球の自転説は最も有用な説だと思えるが、トラック競技における世界記録の多くはブラジル、ボリビア、オーストラリアといった南半球で記録されているため、このコリオリ効果の影響はあまり無いだろう。

結論:わかりません!

Denis Dmitriev

まだまだ未解明な部分も多いトラック競技の反時計回り。どの理由もそれっぽく見えるが、確実にコレという理由は未だ見つかっていない。

気になった方は陸上競技のトラックが反時計回りの理由も調べてみると、自転車トラック競技と同様にこの謎について言及している様々な見解を見る事ができる。

参考:UCI A question of direction Why counter Clockwise?より