オリンピックやワールドカップ開催、アワーレコードなど世界で様々な出来事があったが、もちろん日本国内でも世界選手権開催や木製ベロドローム建設など、トラック競技におけるビッグムーブメントが多々あった。
日本国内での出来事と変遷を紹介していく。
1990年前橋での世界選手権開催
1990年8月、中野浩一の世界選手権スプリント10連覇記念として日本ではもちろん、アジアでも初となるUCIトラック世界選手権が群馬県「前橋グリーンドーム」にて開催された。(同年に栃木県宇都宮市にてロードレース世界選手権も開催)日本では平成初めの一大イベントである。
当時はプロとアマチュアで分かれていたため、男子プロ5種目・男子アマ7種目・女子3種目(プロアマ同一)の計15種目で開催され、当時の旧東ドイツとソ連によるメダルラッシュとなった。
日本のメダル獲得はアマ・男子タンデムのみ。当時高校生だった齋藤登志信/稲村成浩ペア(共に現在は競輪選手)が2週間の即席チームで銀メダルを獲得。
プロ・男子では1987年にプロ・男子スプリントで世界チャンピオンへと輝いた経歴のある俵信之(競輪選手→現在は引退)がケイリンで4位に。惜しくもメダルを逃したが、この世界選手権開催を通して日本発祥の競輪が世界で大きく広まっていた事を日本国民が知る事となった。
2008年ガールズケイリン
1949年(昭和24年)から15年間だけ開催されていた「女子競輪」が、アマチュアのエキシビジョン大会として2008年に復活。そして2012年にプロスポーツへと変わったガールズケイリン。
カーボンフレームにディスクホイールといった機材や、国際ルール(UCI)と男子競輪を組み合わせたガールズケイリン独特のルールとなっており、華やかな雰囲気とは裏腹に男子同様の激しいレースが繰り広げられている。
ガールズケイリンの登場により日本国内での競技力も向上。今ではナショナルチームでガールズケイリン出身の小林優香や太田りゆが国際大会でメダルを獲得するなど、女子の活躍も大きく目立つようになり、平成最後の良い締めくくりとなった。