2002年UCIワールドサイクリングセンター開設
UCIワールドサイクリングセンター(通所WCC)は、UCI本部に併設されたトレーニング施設。この施設の開設はUCIだけでなく自転車競技界にとっても大きな出来事となった。
2002年、UCI本部があるスイスに開設。世界中からの毎年100名ほどの自転車競技アスリート(ロード・トラック・BMX)を受け入れ、トレーニング指導だけでなく選手のキャリアサポートやヨーロッパにおけるナショナルトレーニングセンター的な役割も担っている。また、様々な競技のエリートアスリートもトレーニング利用を行なえるスポーツ複合施設として機能。
高速道路沿いの好アクセスに加えて一般開放もされており、地域のスポーツ愛好家やスポーツイベントなどにも利用され自転車競技と地域スポーツの発展に貢献している。
充実したトレーニング環境を世界中に
現在WCCは拠点をスイスとし、その他にCCC(コンチネンタルサイクリングセンター:WCCを拠点とするサブセンター。世界で活躍できる人材の育成を各大陸/地域で行う施設)が世界5ヶ所に開設されている。CCCは各大陸での、より質の高いトレーニング環境と人材を輩出する為、そして大陸毎の自転車競技の交流地となっている。
2002年日本
アジアで初のCCCがUCI・日本オリンピック委員会(JOC)・日本自転車競技連盟(JCF)・公益財団法人JKAとの協力の元、2002年4月に静岡県伊豆市にオープン。2009年には国内初のベロドームも開設され(後述)、リー・ワイジー(香港)含むアジアから6人ものオリンピアンを輩出した。
2005年アフリカ
2005年には標高1400mに位置する南アフリカの都市パールにてアフリカ大陸初のCCCが開設。
アフリカでの自転車競技の交流地点となっており、アフリカ各国のナショナルチームや若手育成の施設として利用されている。当施設ではトレーニングキャンプも積極的に受け入れており、過去にはトラックワールドカップやオリンピックでのメダル獲得者を排出。アフリカ大陸からヨーロッパへの自転車留学の窓口としても機能している。
2013年韓国
ロード/トラック競技のジュニア選手育成だけでなく、UCI公認コーチ(レベル1とレベル2)育成コースも用意されており若手を中心とした育成に力を入れた施設として2013年に開設。施設内には屋内ベロドロームだけでなく、全長2kmのロードレースサーキットなども備えており、タイやベトナムからジュニアトラック世界選手権でのメダル獲得者を排出している。
2015年インド
インドナショナルチームからUCIトラック世界選手権、2020年東京オリンピックでのメダル獲得者を排出する為にUCI協力の元2015年に開設。ジュニアからエリートレベルまでのトレーニング施設だけでなく、コーチやメカニックの育成、新たな人材発掘にも力を入れている。
若手選手育成の未来
UCIは2020年までにCCCを世界10ヶ所に開設し、世界中の若手選手に充実した自転車競技のトレーニング環境を整えたいと述べている。
日本から令和生まれのスーパースターが現れる日もそう遠くはないだろう。